自分のこと その42(最終回) ~バレエは1日にしてならず~ | サクラバレエ 

サクラバレエ 

サクラバレエは岡山市にある“大人からはじめる本気のバレエ教室です。
ワガノワメソッドに基づいた大人向けカリキュラムで段階を踏んで上達
出来るよう1人1人丁寧に指導しています。未経験の方ぜひどうぞ!
※スケジュールや料金は“テーマ”から♪

1回目の記事はこちら↓↓

 

前回の記事はこちら↓↓

 

長い間お世話になったスタジオを後にした時、私はバレエをはじめてから8年が過ぎていました。

 

バレエをはじめた頃は、8年や10年踊るなんて、冗談じゃないわ、想像も出来ないわ、と思っていましたが、振り返ってみると、本当にあっという間でした。

 

そして、バレエを習いはじめた頃に読んだ本に書いてあった、

 

『バレエは完成するまでに長い年月がかかる芸術です。少なくとも10年は鍛錬をつまないと、一人前にはなれません。』

 

という言葉。

 

当時の私はこれを読んで、そんなにかかるのかと本当にガッカリし、(10年も待っていられない!)と、少しでも早く上手になるようにと頑張ってきましたが、それなりに踊れるようになるには、やっぱり10年かかりました。

 

バレエというものが自分の身体に染み込んで、自分のものになるには、やはり10年かかるんだな、というのが私が自分の身をもってたどりついた結論でした。

 

ただ、逆に言えば、どんな芸術もそうですが、10年間ベストをつくせば、何かしらのものが、自分の中に残ると思います。

だから、よく生徒が、レッスン後に

 

「ああ、もう2年も踊ってるのに・・・汗」とか

 

「もう、5年も踊っているのに、情けない・・・あせる」などとつぶやいているのを見ると、

 

(まだまだ!これからこれから!ニコニコ)と思うのでした。

 

そして、これも当時の本に書いてあった、

 

『大人からバレエをはじめた人は、もう骨が固まっているから、残念ながら、これから大して上手にはならないでしょう。しかし、趣味として健康や美容のために、バレエはとっても素晴らしい芸術です。』

 

という言葉。

 

この言葉にも、当時ずいぶんと衝撃を受けて、反発しましたが、今振り返ってみると、確かに当たっているなと思う部分と、いや、そうじゃないと思う部分があります。

 

確かに大人からバレエをはじめた人は、骨が固まっています。

 

でも、そのことを知った上で、簡単ではないかもしれませんが、それをカバーするための筋肉のつけ方や、踊り方を身につけて行けば、きちんと上達して行きますキラキラ

 

それから、目指すものがあって、そこにもし、身体や年齢の条件等で残念ながらそこに行き着けなかったとしても、それまでに身につけたものは、その人にとってかけがえのない宝物になりますし、なぜ、それを目指していたのか。本当に手に入れたいものが何なのかをに気がつくことによって、形は変わっても、欲しかったものを手にいれることは出来ると思います。

例えばあなたがもし、プロのバレリーナになりたかったのだとしたら、なぜそうなりたかったのを考えてみるのです。すると、「舞台の上でキラキラ輝きたかった」「観ている人達を喜ばせたかった。」「自分を表現したかった。」などの理由が出てくると思います。

それなら、プロのバレリーナにならなくても、舞台の上で輝くことは出来るし、観てくれているお客様を喜ばせることも出来るし、自分を表現することも出来ますよね。

そうやって、自分が本当に目指していること、手に入れたいことを見つけていくのが、バレエであり、人生ではないでしょうか。

 

それに、この10年、自分が踊ってきて気がついた大切なこと。

 

それは、大人からはじめるバレエで大切なのは、他人と競争したり、誰かに憧れて、誰かのようになろうとするのではなく、自分に目を向け、自分と向かい合い、自分の成長を楽しむこと。自分なりにベストを尽くして、自信を手に入れること。

 

大人からはじめるバレエには、いくつになっても自分が進化する喜び、学ぶ楽しさ、視野が開ける面白さ、好きなことと出会い毎日を輝かせていく喜びがあります。大人になっても、自分を見守り、励まし、時には叱ってってくれる先生や仲間と出会える幸せがあります。

 

人生の最後に「ああ、私の人生は楽しいことがいっぱいあったな。バレエと出会えて幸せだったな。」

 

1人でも多くの人にそう思ってもらえることが、大人からバレエをはじめ、大人にバレエを教える今の私の夢であり、希望です。

 

 

ここから先の私は、フィットネスクラブで大人向けにバレエクラスを持ったり、バレエの教授法の学校へ行ったり、バレエスタジを移籍して、そちらでも教えるお手伝いをさせて頂いたりと、バレエとの関わり方が、踊ることから教えることへとスイッチしていきます。

 

このスタジオでお世話になったのは3年程でしたが、様々な経験をさせて頂き、とても勉強になりました。

 

やがて、このスタジオをやめた後に、自分がやりたい事って何だろう、自分にとってのバレエとは、自分にとっての幸せとは、と、自分を見つめなおした上で、大人のためのバレエ教室であるサクラバレエを立ち上げることを決めました。

 

最初は5人からはじまり、本当にやっていけるんだろうかと不安もありましたが、人に恵まれ、今では沢山のが来てくれるようになり、皆の笑顔を見るたびに、幸せを感じる毎日です。

 

 

この『自分のことシリーズ』は、大人からバレエをはじめた人にとって、何かしらの励みやヒントになると良いな、と思って始めたシリーズですので、そろそろこのあたりで私の話はおしまいにしたいと思います。

 

長い間、そして最後まおつきあい下さった方達、そして読んでくれた全ての人達、ありがとうございました。