岡山市北区西古松で
大人からはじめるバレエ教室
『サクラバレエ』を主宰している
バレエ講師、桜のブログです。
初めての方は、
こちらの自己紹介と最初の記事を
よかったらどうぞ。
↓↓↓
今回は本人の希望で、
「苦手な腕の使い方が特徴的な作品」
である、
エトワールのバリエーションに
挑戦しました。
これまで、どちらかと言うと、
自分が得意な作品や、
自分が好きな作品に挑戦してきていたので、
作品を選んだ時点で
私は彼女の成長を感じていました。
得意なことは、1頑張れば、
10伸びます。
でも、
苦手なことは、1頑張っても、
良くて、1しか伸びません。
しかも、エトワールは、
上品かつ、華やかな雰囲気を
表現する必要があります。
キャラクターダンスの要素もありますし、
とても細かいところを
丁寧に積み上げていくことで
完成する踊りです。
もともと、大きなジャンプや
速い回転が得意で、
普段から元気いっぱいな彼女にとっては
めちゃくちゃ難易度が高い挑戦です。
厳しい戦いになる事は、
初めからわかっていました。
けれど、昨年は、オーロラ姫に取り組み、
もちろん、まだまだ伸びしろはありますが、
最初はあんみつ姫のように
元気いっぱいだった踊りを
最後には、上品で彼女らしく
魅力的なオーロラ姫として
踊ることができるようになっていました。
彼女なら、きっと、自分らしいエトワールを
踊ることができる。
そう信じて始まった、
今回のコンクールへの道のりでした。
ところが、今回のコンクールに向けての
数か月間は、
決して順調なことばかりではありませんでした。
仕事で、責任のあるポジションを
任されると同時に、
とても忙しくなり、
事情を知らない私が見ていても
体調面で不安を感じるほどでした。
それでも練習を休まない彼女と話し合って、
悔しいと思うけれども、今回は
レッスン回数やコンクール練習量を
調整することに。
本番前も、これまでは前日まで練習を重ね、
当日を迎えることもありましたが、
今回は本番で一番良い状態になることを優先。
体力を温存することを選びました。
本人にとっては、
もっと練習したい気持ちもあったと思います。
それでも、
「ベストを尽くす」とは、
限界まで頑張り続けることではなく、
本番で力を発揮できるように
自分を整えることでもある。
そんなことを学んだ
コンクールだったように思います。
また今回、
困った時には周りに相談すること、
一人で抱え込まないことの大切さも
経験しました。
大人になると、
つい何でも自分で頑張ろうとしてしまいます。
でも本当は、
人に頼ることも大切な力の一つです。
今回は、奨励賞をいただきました。
それだって、十分立派な結果です。
ただ、本人にとっては、
悔しさの残る結果だったのかもしれません。
でも私は、
今回のコンクールは
とても意味のある挑戦だったと思っています。
今回のコンクールを通して、
技術だけでなく、
そうした心の成長も
たくさん見ることができました。
そして、普段は言葉にしなくても、
実はたくさんの人が、
自分のことを大切に思ってくれている
のだと言うことを、
感じとってくれたのではないでしょうか。
そして何より印象的だったのは、
コンクールが終わって、
彼女が本気でこの作品や舞台に
向き合っていたことを感じる出来事がありました。
大人になると、
悔しいと思うことから逃げることもできます。
挑戦しないという選択もできます。
でも彼女は、
勇気を出して舞台に立ち、
自分自身と向き合いました。
彼女は逃げなかった。
それは本当に尊いことだと思います。
順位や賞ももちろん大切です。
でもそれ以上に、
挑戦すること。
努力すること。
そして、
また次に向かって歩き出そうとすること。
その姿こそが、
私は素晴らしいと思っています。
今回は、自分の苦手なことを克服して
1つ上に行くための挑戦でした。
まだ伸びしろはたくさんありますが、
それでも、この半年間で、
腕の使い方が変わり、
背中の使い方が変わり、
腕がこれまでよりもかなり長く見えるように
踊ることができていました。
また、疲れていると、人は、笑顔になることが
とても大変なこともあります。
それでも彼女は本番でとびきりの笑顔で
舞台に出て行きました。
さすがだと思いました。
それは、彼女にとっての、
バレエへのリスペクトでもあり、
バレエを踊る上でとても大切な、
“なにくそ魂”を見せてくれた
瞬間でもありました。
空間の使い方も、舞台を満遍なく使えて
審査員の方にも褒めていただいていました。
あと、アドバイスシートに
「品のあるエトワールでした」
「丁寧な踊りでした」
と、書いていただけていて、
オーロラ姫の時に、
一生懸命取り組んでいた課題を
きちんと自分のものにして、
定着できていたことが、
今回の“品”や“丁寧さ”に
つながったのだと思います。
こんなに、どんどん
自分が苦手なバリエーションを
選ぶ人も珍しいと思うのですが(笑)
もし、彼女が今後、
時間や気持ちに余裕ができて、
“上位入賞を目指す”と言う目標を
立てることがあれば、
その時は、それに沿った作戦や指導で
全力でサポートしますが、
今回は、スタート時は
“苦手なことに取り組む”、
そして、ラストでは
“無事に舞台で踊って、袖幕にはける”
と言う目標に変更し、
そして、その目標は、
見事に100%達成したのです。
私は彼女の成長を見ることができて、
指導者としてとても嬉しい時間でした。
袖で本番にエトワールを踊る彼女を見ていて、
本当に嬉しかった。
大人は、仕事の事、プライベートの事、
体調の事など、様々な波があります。
それでもその時、その時にできる
ベストを尽くしながら、
バレエを踊ること、踊ったことに
私は大きな意味があると思っています。
またここから、
一緒に頑張っていきましょう。
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