いつもお読みくださりありがとうございます。

 

昨日のつづきで、次のエピソードを紹介します。

 

中学受験をやめて、高校受験にした子たちのはなし① ~ほんの数例ですが~

 

中学受験をやめて、高校受験にした子たちのはなし② ~ほんの数例ですが~ | 2022兄中受終了組・2029中受を目指す元サピックス講師ママのブログ (ameblo.jp)

 

これらの話の続きです。

 

もう1件、高校受験の中3を持っていたときの話です。

 

その子は、公立中に進学したあと本人いわく「中3になるまでまったく勉強しなかった」ポーンそうで。

 

たしかに、基礎的な知識が欠けていると感じました。

 

英数はとくに積み上げが大切ですので、根本から躓くと戻るのに時間がかかります。

大きくさぼってしまうと取り戻すのがどれだけ大変か、その子で実感しました。チーン

 

ある日、その子がふと私に「先生、ここも中学受験の小学生がたくさん勉強してるけど、私もサピックスに通ってたんだよねー。」と言ってきました。

え!?そうだったの?と思ってびっくりして「いつまで通ってたの?」と聞くと

「小4途中まで」と。ほう、早めの撤退にしたんだなーと思いました。

 

しかしそのまま雑談を続ける彼女の話を聞いていると、なんだかおかしなことを言いだしたのです。

 

「私、そのときサピックスの先生に、女子学院に向いてる、って言われたんだよね~」と。

 

おや?と思いました。

私の知る限り、小4に向かって「あなたは女子学院に向いてる」などと安易に言う先生はいないと思ったからです。

言ったとしても、「女子学院みたいな自由な学校が合ってるかもね、目指して頑張るといいよ」とか??

言ってもその程度だと思うのですがキョロキョロ

 

しかし彼女はその先生の発言もあって、女子学院の文化祭も行ったそうです。でもなぜ受験を継続しなかったのか、と聞くと「途中で大変だからめんどくさいなと思って」とのことでした。この子のお宅の場合は保護者が大変自由というか、けっこうぶっ飛んだ考え(いい意味で)があって、子どもの意志ややる気を尊重して、逆にやる気がなければ何もしなくていい、という方針だったのでそのままアッサリ辞めさせたそうです。

 

そこからが、問題だったのですが。

ちょっと彼女、こじれているところがあって。

 

「私、あのまま受験勉強してたら女子学院だったのになー」とポーン

「サピックスに通ってたから、出来るってみんなに思われてて困るんだよね~」とか。。。滝汗

 

「ええ!?」っと思いましたが、どういう思考回路か、というか現実をいろいろ知らないまま中学生活を過ごしてきてしまったせいか、そういう考えになっていました。ここにもいたか、サピックスの呪縛に捕らわれた子が、、、ショボーン

 

何なんでしょうね、「サピックスに行っている私」というアイデンティティゲッソリ

この子の場合なんて「サピックスに行っていた私」ですからねゲッソリ

 

しかもたまに、「あ~、なんであの時受験しなかったんだろう。だから今、こんな難しい数学やらないといけないんだよな~。」「しょせん、中学受験は小学生が受けてるんだから、こんな難しい問題やらなくていいわけだし。あのとき続けとけばよかった」とか。。。。

 

衝撃の発言が飛び出していました。

 

私はやんわりと、「中学受験の算数、とても難しい問題もあるよ。その相似の問題も、小学生で一瞬で解く子がいるよ。」と言うのですが、「またまた~そんなわけないじゃん」みたいな返事でして。。。。

 

中受の問題を見せてあげたのですが、現実を受け入れない感じでした。

 

一方で、やはり前回の子と同じで

「中学受験よりも偏差値が各段に上がって難しくなってる高校がある!」ということについては騒いでいました。この子の場合は前の子と違って、「ずるい!」みたいな騒ぎ方でしたが。前回の子は自分が中学受験を辞めたことを悔やんでいて、私もっと頑張れば良かったと言っていましたが、この子は「私だって本当は入っていたのに!」という気持ちのほうが強かったです。

 

しかし、なにせ辞めたのが小4ですので、理科も社会も、中3でありながら、中受を頑張っている小6より格段に知識も少なく、教養も足りていなかったです。

漢字や語句の意味も、高校受験の国語は中学受験の難関校とまったくレベルは変わりませんし。

 

中学生特有の、こじらせている時期、ストレスが溜まっている時期だったのだとは思いますが、中学受験をバカにしているというか現実を見ていないことは残念だなと思いました。

 

本人の結果としては、偏差値的にかなり足りない高校にチャレンジして玉砕という結果になりました。こちらのアドバイスを受け入れない日程を組んでいたので仕方なかったと思います。

 

中学受験と高校受験、どちらにわが子の向いているのか、それは本当は親しかわからないことだと思います。

精神的に幼い子に中学受験をさせるのもキツイですしね。うちも大変だった。。。

よくそういう子は高校受験で、と言いますが、私はうちの上の子を見ているととても中学生で成長するとは思えませんでした。それを待っている間に取り返しのつかない内申点を取ってくるという予感しかなくチーン

 

実際、今(中2)でも精神年齢は小1,小1の娘とちょうど同じレベルで遊べてしまうし、からかいつつも本気で物の取り合いしたりしています真顔譲れよ。。。とこちらはイライラ。

 

一方で、中学受験を見送ったことで余裕を持って高校受験の準備をして大成功という例もあります。

1つの成功パターンは、お母さまがきちんと英語と数学の先取りをさせ、小5くらいから準備されていた子。

 

あとは本当に出来が良い子。自立していて、自律できて、目的意識を持って高校受験に向かっている子。本当に中身が素晴らしい!人として尊敬してしまうような子って中学生にもちゃんといます。ああいう子には、どうやったら育つのか。。。とため息が出てしまうくらいです。逆にそういう子を見ることで、「よかった、やっぱりうちのアホ兄には無理だった、ここは無理やり中受で良かったと思おう」と自分を慰めたり。

 

ということで、一般的にはもし、経済的、地理的に可能ならば、適性校を見極めながら、性格を見極めながら中学受験を考えていくほうが、この首都圏では可能性が広がるのかなというのが私の実感です。

そのときに、撤退するにしても今回のエピソードのように妙な劣等感なのか、こじらせないようにうまく撤退することが大切だと思います。

 

少ない経験と主観に基づいた意見ですが、実社会で質問されてもこのようなことをいつも答えています。

こんな例もあるんだなーと思ってもらえたら幸いです。