歌野晶午「Dの殺人事件、まことに恐ろしきは」
このオチ、乱歩以上。最新テクノロジーで原典を超えるどんでん返し7連発!
"歌野晶午×江戸川乱歩――貴方を「非日常の興奮」に導く、超ミステリが誕生!
カメラマンの「私」が渋谷の道玄坂で出会い、交流するようになったのは、賢いが生意気な少年・聖也。その日も私は道玄坂のダイニングバーで聖也と話していたが、向いの薬局の様子がおかしい。
駆けつけた私たちが発見したのは、カーペットの上に倒れた、上半身裸の女性だった。
その後、私と聖也は事件を探り始める。
しかし、私はあることに気がついてしまい、元の世界には戻れなくなっていた――(表題作)。
長崎港を訪れた「私」は、ビデオ通話で恋人に風景を見せながら旅する奇妙な男と出会う。男に誘われた路面電車での観光の車中、「私」はその恋人が、人気アイドルのヴィーナスだと明かされる。だが、2人の馴れ初めを語る男の話には、明らかにおかしな点があり……(「スマホと旅する男」)。
「人間椅子」「押絵と旅する男」「D坂の殺人事件」「お勢登場」「赤い部屋」「陰獣」「人でなしの恋」「二銭銅貨」……本格ミステリ界随一の騙しの達人が、江戸川乱歩の名作群を最先端テクノロジーでアップデートした、驚愕の翻案ミステリ短編集!"
7つの短編集です。
- 椅子? 人間! (「人間椅子」)
- スマホと旅する男(「押絵と旅する男」)
- Dの殺人事件、まことに恐ろしきは(「D坂の殺人事件」)
- 「お勢登場」を読んだ男(「お勢登場」)
- 赤い部屋はいかにリフォームされたか?(「赤い部屋」)
- 陰獣幻戯(「陰獣」)
- 人でなしの恋からはじまる物語(「人でなしの恋」)
最初におことわりというか、白状しますと
2編読んでギブアップしました
歌野晶午さんは前に「葉桜の季節に君を想うということ」を読んでガッカリしたのですが
この短編集は江戸川乱歩をモチーフにしているということで
読み始めてみたのですが、
最初の「椅子? 人間!」で一旦、挫折。。。
初めて乱歩の「人間椅子」を読んだ時、衝撃を受けたのですが
あの気味の悪さは全く感じられず。
ただただ鬱陶しい男につきまとわれた挙句、、、
という感じ。
ここで脱落しようかと思いましたが、
表題作だけでも読もうと頑張った
「Dの殺人事件、まことに恐ろしきは」
これも、最後のどんでん返しは「最新テクノロジー」とは言えますが、全く納得いかない。
しかも結末は「恐ろしい」というより「後味悪い」
この「後味の悪い怖さ」って、
「ありそうだから気味が悪い」というじんわり怖いのと、ちょっと違うんですよね
「「お勢登場」読んだ男」は、斜め読みしましたが構成は面白かったです。
「陰獣幻戯」は読み始めでやめました。
どうも、読後感が悪い本は苦手です
この本も評価が高いので、
私はつくづく歌野晶午さんは合わないんだと思います。
今後は読まないことにします。
良い所を挙げるならば、
乱歩未読でも面白く読める。
(乱歩未読の方のレビュー高評価が多かったです)
どんでん返しや「後味の悪いミステリー」が好きな人におすすめ。
それと、文章が読みやすいです。