谷瑞恵「小公女たちのしあわせレシピ」 | 読後つれづれ

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谷瑞恵「小公女たちのしあわせレシピ」

 

契約社員の野花つぐみは、お菓子レシピが隠された『小公女』の古書を見つける。

それは不思議な老女・メアリさんの遺品だった。

「ぶどうパン」「トライフル」「アブラミのお菓子」……

つぐみの本探しと菓子作りはやがて、簡単にやり直せない過去を抱えた人々との優しい縁を結び始める。

じんわり涙がこぼれる6つの連作集。

 

 

著者さんに見覚えが‥‥と思っていたら

「めぐり逢いサンドイッチ」の谷瑞恵さんでした。

 

 

私は子供の頃「小公女」が一番好きなお話だったので、

気になって借りてみました。

 

1.奇跡のぶどうパン

   お話:『小公女』

   レシピ:チェルシーバンズ

2.最高のつまらないもの

   お話:『トムは真夜中の庭で』

   レシピ:トライフル

3.わたしをお食べ

   お話:『不思議の国のアリス』

   レシピ:トリークルタルト

4.遠い日のプディング

   お話:『ドリトル先生アフリカ行き』

   レシピ:スエット・プディング

5.星のスパイス

   お話:『風にのってきたメアリー・ポピンズ』

   レシピ:ジンジャー・パン

6.からす麦の花咲く

   お話:『秘密の花園』

   レシピ:オーツケーキ

 

つぐみが『小公女』の本に挟まれた、

ぶどうパンのレシピを見つけたところから

お話が始まります。

様々な人が、メアリさんが残した本とレシピを見つけ

それをつぐみが再現することで

メアリさんの足跡をたどり続けます。

 

ただ、途中あまりお話とレシピが

それほど深く関係していない部分もあり

途中の3章、4章のあたりでは

ちょっとだれた感じがしてしまいましたがガーン

 

考えさせられるシーンは

たくさんありました。

 

特に第一章は、名言が多かったと思います。

ねぇつぐみちゃん。道ばたで何かが光って見えたら、あなたは拾う?

泥だらけで、誰もが見向きもしないものかもしれないけど、もしも心が動いて、拾ってみたら、それが奇跡の始まり鴨しれないの。

私の中で、メアリさんの一番の名言です。

 

ラストは

素敵な映画のワンシーンのようでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

登場した児童書はほとんど読んでいるので、

それぞれの感想を書きたいと思います。

全てイギリスの児童文学です。

 

本の写真は、子供と私の所蔵品です。

 

1.『小公女』 バーネット

 

  (角川つばさ文庫)

 

  『小公女』は本当に大好きで、

  図書館で何度も借りて、母親に「また借りて来たの?」とあきれられるぐらいでした。

  美味しそうな食事、スイーツもいろいろ出てきましたが

  私も「ほかほかのぶどうパン」は美味しそうだと思っていました。

  つぐみと同じく、ロールパンのようなものだと思っていましたね。

 

2.『トムは真夜中の庭で』 フィリパ・ピアス

 

 

  ちょっと理由があって昨年購入したのですが、

  まだ読んでいる途中あせる

 

  トムが真夜中に古時計が13時を打つのを聞いて、

  不思議な庭園へ誘いだされます。

  2章の主人公理菜は、

  公園の時計が2度、5時の知らせをした時に

  メアリさんと出会います。

  子供の頃って、そういう不思議な体験をしますよね。

 

  肝心のトライフルは一瞬しか出てこないらしいですびっくり

 

  私にとってトライフルといえば、

  クリスティの「火曜クラブ」ですが、

  そのお話ではトライフルを使って殺人が行われました…ガーン

3.『不思議の国のアリス』 ルイス・キャロル

 

不思議の国のアリス (角川文庫)

 

  大人なってから文庫で読みましたが、

  今は手放してしまいました。

  児童書と違って、なかなか難解だった記憶です。

  「鏡の国のアリス」に至っては、途中挫折しましたあせる

 

  しかも「女王様のタルト」は記憶にありません汗

  このお話ってかなり有名ですが、

  読んだことある人は少ないかも?と思います。

4.『ドリトル先生アフリカ行き』 ヒュー・ロフティング

 

ドリトル先生アフリカゆき (岩波少年文庫 21 ドリトル先生物語 1)

 

  唯一、読んだことなければ持ってもいない…

  ただ、映画は昔見たことがあります。
 

ドリトル先生不思議な旅 [DVD]

 

  内容はほとんど忘れてしまったのですが、

  最後に大きなかたつむりが送り届けてくれる描写があり、

  そのかたつむりの殻の中が、部屋ぐらい広く大きくて

  すごくロマンを感じた思い出があります。

  (大海かたつむり、というらしいです)

 

  この本は読んだことありませんが、

  「プディング」は他の児童文学にもよく登場しました。

  「アブラミ」というものも、どこかで読んだ記憶あり…。

  「プディング」というものは当時全く想像できず

  プリンとパンの間のようなものを想像していましたね照れ

 

5.『風にのってきたメアリー・ポピンズ』 P・L・トラヴァース

 

 

  この本も本当に大好きで、

  大人になってからこの文庫版を購入しました。

  ジンジャーパンの星を空にはりつけるところ、大好きです星

  突然やって来るメアリー・ポピンズ、

  すごく優しくもなく、気分屋なのが魅力的。

  そして子供達も、模範的な子供じゃないところがいいのです。

 

  このジンジャーパンは唯一作ってみたいレシピです。

 

6.『秘密の花園』 バーネット

 

 

 昔読みましたが、ほとんど覚えておらず

 しかし子供のお気に入りだったので、もう一度読んでみました。

 こういった児童書のシリーズにはめずらしく、

 主人公が結構わがままで、いい子じゃないんですよね。

 そこが魅力的なんだと思います。

 

 しかし、オーツケーキが出てくる箇所を見つけられず、

 訳が違うのかと思い、KindleUnlimitedで読める光文社古典新訳文庫版で

 

秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)

 

  探してみたところ、「オート麦のケーキ」という箇所を発見。

  再度、角川つばさ文庫で同じ個所を探してみると

  「オートミールケーキ」という記述でした。

 

  他にマフィンとかクロテッドクリームとか、

  もっと美味しそうな食べ物も出てくるのですが、

  レシピがわからないからこそ、「食べてみたい!」という気持ちをそそるんでしょうね。

 

  メアリさんの名前はメアリー・ポピンズからかと思いましたが、

  『秘密の花園』の主人公も、メアリなんですね。

 

 

カップケーキチョコカップケーキプリンピンクマカロンピンクドーナツ

 

 

子供の頃は、外国の食べ物を

よく知らなかったこともあり

本の中の食べ物が全て美味しそうに感じました。

 

美味しい食べ物があふれている現在、

レシピを見ると

「実はそれほど口にあわないかも」

と思ったりあせる

 

とは言いつつ、昔憧れた食べ物が

再現されるのは楽しいです音符

 

 

 

(おまけ)

物語の中の食べ物といえば、

特に気になっているのは

「ナルニア国ものがたり」に登場する

 ターキッシュ・デライト

 

私が昔読んだ本(おそらく岩波少年文庫版)では

「日本になじみがないお菓子のため」

プリンに変更されていました。

 

が、子供が持っている角川つばさ文庫版では

きちんと原文どおり「ターキッシュ・デライト」と

書かれています。

時代のグローバル化を感じますねウインク

 

ターキッシュデライト、

ちょっと食べてみたい気がします。