ニッキー・ホプキンスの名前は、中学生のころから知っていた。友人の姉が持っていたワーナー版「山羊の頭のスープ」を初めて聞いた時だった。そう、オールドファンにはもう、お分かりですね。「幻の来日記念盤」だったのですよ。

 その話は別の機会にしておきますが、ジャマイカで録音されたこのアルバム、当時のミュージックライフでもいわゆる「レゲエ」を「レガ」と表示していたまさに時代物ですが、大ヒット曲「悲しみのアンジー」やキースの歌う「夢からさめて」といったバラッドの名曲を独特な旋律で際立たせるニッキーの天才的ピアノ演奏に心を奪われました。

 そのほかのことは何も知らず、メインスターではなくサポートに徹する裏方ミュージシャンでありながら、ストーンズをはじめとして、ビートルズの4人や最初のジェフベックグループ(ロッド・スチュワートやロン・ウッドのいた)、にとどまらず、名前を聞くだけでびっくりするぐらいのビッグ・ネームとの凄すぎる共演。ネタバレになるので伏せておくが、彼は自分のことを「○○〇ン」の生まれ変わりと信じ切っていたと周囲に語っていたそうだ。

 

 映画の予告編を載せておきます。片道50キロもかけて栃木県の小山までわざわざ出かけ、一般入場料2000円を支払い(実はわし、来月定年でシルバー料金適応になります)、駐車料金も200円かかるのに何で行ったのか?

 上映期間が短いのとやっぱ、このようなマニアックな映画は一期一会なんですよ。わしが10代だったころは、ロック音楽の映像を追いかけて深夜テレビや中野あたりで時折持たれるフィルムコンサートに突撃するしかなかったのですよ。家庭用ビデオが普及したのは社会人になってからですから。

 予告編でも垣間見ることができますが、みんな良いじじいになったけれども、彼を語るその目は本当に熱くってロック小僧のそれを感じさせられました。サブスク配信を待つのもよいが、高い代償を支払って劇場で見るがよい。

 

 帰りの車中はSPOTFYでずっとニッキーの演奏を聴いていました。でも、本当に彼の演奏が光っていたのは「影」に徹した時なのかもしれませんね。映画の中ではなぜか ジョン・レノンのセッションシーンに涙が出てしまいました。

 我が家の押し入れに眠っているLPレコード。ニッキーがサポートを務めてくれた1972年全米ツアーの海賊版。新宿キニーではなく、上野のバイク屋が立ち並んでいるあたりで買った覚えがあります。

 

 ブルースっぽい選曲が時代がかっております。当時のヒット曲だった「ダイスを転がせ」も「ハッピー」も収録されておりませんね。ピアノに関してもステュのパートの方が多かったりして。でもレコードプレーヤーがないので聴けません。

 

 

 話は変わりますが、自宅の風呂が使えなくなっているので、その間、水郷公園にある日帰り入浴施設に通っております。

 

 多分、都内の銭湯よりも料金は安いと思います。天然温泉ではありませんが、温泉の素を使ってそれなりに気持ちよく、よく温まります。近所のスーパー銭湯「湯楽の里」が、平日750円に値上がった今では貴重な存在です。まあ、値段だけでいうとごみ処理場の熱を利用した場所は300円で風呂に入れますが。

 そこら辺の事情、つまりわしの住宅関連については落ち着いてからまた、報告させてもらいます。