何度もこのブログでは取り上げておりますが、暖簾の片隅に球団のシンボルマークが見える「きぬ」。近くを流れる鬼怒川を渡ってしばらく行くと筑波サーキットがあるという片田舎ではありますが、阪神タイガースの主力選手である大山悠輔先週のご家族が営んでいるお蕎麦屋さんです。

 

 

 日曜日はお休みなので土曜日の営業時間はとても混み合い、満席ウエイティングが出るほどです。今日も嫁と12時過ぎに着いたところ、背番号3のユニフォームを身に着けてベンチで待っている人もおられました。

 その記入欄ですが、店主の温かみがひしひしと伝わって参ります。わしら近場(といっても車で1時間ほどかかります)に住むものだけでなく、関西方面からもコアな虎キチ様たちが常磐線の取手からジーゼルカーに揺られ、さらに宗道と駅から徒歩30分かけてはるばる訪ねて来る熱心な人たちも少なくないそうです。

 時に過激な言動が話題にされるタイガースファンですが、半世紀以上付き合ってきて実感するのは彼らにとっては単なる野球の応援ではなく、生活の一部になりきっているのですね。

 

 

 少し話は飛ぶのですが、この日の朝、神立病院へ向かう車の中で聴いていたFMラジオの番組中、突然「六甲おろし」が流れてきました。番組の主、サラちゃんが次にライブを行うのが大阪ってことで大阪らしさを強調するために使ってくれたのですが、やっぱり、大阪=阪神タイガースというイメージは海外で育った方にもそう映るのでしょうか?近頃ネットでは「タイガースは兵庫のもの」と主張される方が多くみられるのですが、それはそれで言い分もあるのでしょうが、兵庫県の斎藤知事は県下においての優勝パレードは警備や予算の都合上、実現は厳しいとの見解を出されたそうです。行政の責任者としての立派な態度だと思いますが、もともとタイガースを応援してきた人らって、自分らの損得勘定抜きにして生きてきた人らと違います?

 その辺の根っこからの盛り上がりが大阪の文化そのもののような気もするのですが。あんまりクールに判断できない幼児性も残されているのかもしれませんが。

 

 ま、関西の文化論を語る余裕はここまでにして、茨城の田舎に戻りましょう。

前回来たのは今年の春、セリーグの開幕前のことでした。

 

  

 それから半年がたち、店を入ったすぐの展示には変化がありました。

 

 じゃーん、今年も甲子園において見事な優勝を成し遂げてくれました。もちろん、野球はチーム競技なので藤川監督をはじめ裏方さんにいたるまで多くの人たちの献身的な努力の結集があってのことだと思いますが、その中で大山君も中心選手としてみんなの精神的支柱たるべき役割を果たしてくれたというのは疑いの余地もありません。何度見ても感動が思い起こされます。

 

 で、嫁が注文した「鴨南蛮」ですが、量ががっつりで食べきれませんでした。

麺の量を少量にすることも可能との張り出しがありましたが、それは次回以降の選択にいたします。素朴で武骨で、でも温かみのあるなかなかの一品でした。

 

わしはエビ天丼セット。今日は混んでいたので時間もいくばくかかかりましたが、それを補うばかりの美味さと満腹感を味わえました。

 ちなみに今日の試合で大山くん、通算150本塁打を放ちました、おめでとう!

 

 ポストシーズンをにらんでいよいよ新しい戦いのステージが開けてきます。タイガースにいてくれて、本当にありがとう、また次の祝福が得られるよう、わしらも精いっぱい応援いたします。

 

 ようやく酷暑も和らぎ、彼岸の中日にまでたどり着きました。私事で恐縮ですが、この秋定年退職を迎えて1年が経過いたします。で、契約更改の条件ですが、さらに減収。悪いこと、問題行動してへんのにこの有様です。おそらく同じ思いに直面されている同世代の方も少なくはないと思われますが、なるようにしかならないので、普段の生活についてはきっちり締めなくてはなりませんが、楽しむことも忘れてはならないと思います。

 

 というわけで、宇都宮市の郊外にある「ただおみ温泉」にやって参りました。この辺りにはなかなか評判の良い日帰り入浴の施設があるようで、車で走りながらでも結構看板を見かけたりしますが、本日寄らせていただいたのはここ「ただおみの湯」でございます。

 

 見てください、入口に掲げられたこの表示。すごいやん、これはひょっとして、隠れたる名湯?なんて期待に胸がわくわく高鳴ります。

 

 勉学中の二宮尊徳さんも出迎えてくれます。目に効く温泉?だったりして。

玄関をくぐったら愛想の良いおばちゃん(女将さんというよりも、気さくな感じがおばちゃんと呼びたくなってしまいます)が出迎えてくれました。券売機の取り扱いを説明してくれたり、とても明るくてなごみます。

 

 無色透明のいわゆる単アル泉、と成分表では書かれておりますが、肌触りの良い、まったりとした浴感でした。開店10分ごろに到着した折は先客が3名おられましたが、しばらく浸っていると次々と来客がやって参りました。あまりもの気持ちよさに知られたくない気持ちもありますが、固定ファン、結構いるのでしょう。

 ちなみに源泉が注がれている竹の湯口にはコップも置かれておりました。飲泉もOKみたいです。さらにはペットボトルや焼酎のボトル(取っ手のついた大五郎など)で源泉を持ち帰る人もいるみたいです(とおばちゃんに聞きました)。わしはさすが、20ℓのポリタンしかないので諦めましたが。

 

 玄関で頂いたパンフレットから抜粋いたします。源泉にはかなりの自信を持たれているのがここからも伝わります。

 また、施設の作りが民家の大広間風なので、役所管理の健康ランドとは違って手作り感と温もりを感じます。ちょくちょく寄ってリラックスするには最適な感じがします。これぞ隠れた名湯なのではないか?と密かにほくそ笑みたくなります。

 

 さてさて、ほっこりした後は我が家で用いる温泉ゲットのため、ここから20っ分ほど走って今年最初のここに参りました。前回の記事は昨年師走の訪問記でございます。

 

 以前は日光・鬼怒川ってかなり遠いところにあると思っていたのですが、コロナ禍以降何べんも通るようになって距離感での遠さはそれほど感じなくなってきたような気がします。新しいルートを開発したり、とか。

 いずれにせよ、栃木で出会う温泉って、やっぱ茨城とはレベチですね。特に源泉の扱いについては。まあ、茨城には火山がないとか地形的な要因もあるのでしょうが、素直に敬服いたします。また来ます、好きです栃木の温泉。

 

8月より始まった「常陸秋そばオーナー」の集い第2回は「お蕎麦の花見」と「そばうち」の体験でした。ちなみに前回持たれた「種まき」の記事を貼り付けておきます。

 

 あれから4週間。ようやく涼しさも感じられるようになり、秋の風情がだんだんと濃くなりつつあります。

 

 しかしわしらの圃場は先日の暴風雨の際に雹に見舞われてしまったそうです。花が咲くのも心なしか遅れているようですが、そこは自然の力を信じて秋の実りを信じるといたしますか。

 

 ちなみに新治支庁の駐車場にあるイチョウの木ですが、銀杏がたわわに実っておりました。

でもなんか、拾いたくはありません。

 

 さて、そこから場所を移して「小町の里」へ。山懐にある自然に包まれた作業場です。

 

 きれいな施設で学ばせてもらえるのはとても嬉しく思います。

 

 作業テーブルには蕎麦打ちの道具一式。他人が作業するのはよく見かけましたが、自分で触るのは実は初めてです。

 

 手順が貼りだされています。

 

 これだけ見てわかったつもりになっても、実際触ってみるのとは大違いです。

考えてみれば、僕らは子供のころからこうでした。

 

「泳ぎが上手くなりたい」→いきなり飛び込みを強要される。

「バッティングのコツを教えてほしい」→「じゃあ、俺が投げるからヒット売ってみろ」

 とか。今日もそんな感じで何かをを教えてもらう前に実戦ありきでなんだか途中で加減がわからなくなってしまいました。まあ、初心者でありながら申し込んだ自分が悪かったと言えばそうですが、何事も一歩を踏み出さねば開かれません。

 とりあえず見様見真似で周りを追いかけて行程を進めていきましたが、

 

 はい、失敗作。麺にまでたどり着くことはなく途中でカットされました。それはそれで味わい方、楽しみ方はあるのでしょうけれども、上手くはいかない、情けない。

 

 まあ、それでも周りの方々の協力を経て、一応蕎麦らしき形には整いました。感謝。麺の太さもまちまちではありますが、こうした不ぞろいの方がわしは好きやという心は農村では通じないのかもしれません。均質均等が生産大国日本を支えてきたかのように律義な規格化が根底にあるのかもしれませんね。

 最初から上手くいくわけないから、と自分を慰めるのと同時に、下手くそは何をやってもあかんねん、といったあきらめ気分もどこかで生じてしまうのが自分の欠点なのでしょうね。見かけはどうであってもおいしく食べられればそれでいいとは思うのですが(商売でやっているわけではないので)、プロセスまで味わうとなかなか深いものがありそうです、蕎麦の味わいは。

 結果:次はもっと上手くやってやる、と決意を新たにいたしました。