双頭の獅子、灼熱の大地に踊る -7ページ目
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渇き

渇いていた。渇ききっていた…。俺の喉は悲鳴を上げている。

一昨日から食べ物はおろか、飲み物さえ口にしていない。

無論、下ネタも口にしていない。

雨でもいい。泥水でも口に入れよう。喉を潤したい。プライドが高い俺でも、こんなことを思う。

それでも水分を補給した後、捕球したら±0、むしろマイナスだなと…。

そんな考えが頭をよぎった刹那、俺の携帯電話には着信中の3文字。

勘弁してくれ。言葉など発する余力もない。

例え、出たとしても、絞り出したとしても

『あ、う…。おれ…ブナシメジ。』

くらいが限界だろう。

誰からだろう?最近よくつるんでいる小林稔侍さんかな?

それとも、ずっとバーチャルボーイを借りっぱなしにしているエド山口さんか?

うん、松方弘樹さんだったら出よう。頑張って、声を出そう。


着信中

鳥羽潤


俺の大親友からの電話だった…。俺は蹲り頭を抱えた。そっと淑女をエスコートするように。

鳥羽潤くんとは、俺が彼の出演作品「聖龍伝説」での演技に感銘を受け、所属事務所にY氏の隣人2巻を差し入れに持って行って以来の仲だ。

初めは突然のバオー来訪者に彼も困惑気味だったのだが、次第と打ち解けあい、最終的には2人が最も尊敬するファッションデザイナー・ごあきうえさんの名前についていっそのこと「あ・いうえお」に改名すれば?なんて話題で盛り上がったりした。

彼とは意外と共通点も多い。

名前よりも先に犬種は?って聞いたり、落語家などが襲名するときなど「襲名」という言葉だけで興奮したり、ETCは「えのきちゃん」の略だと基本、間のTを無視して考えるところなど挙げればきりがない。


出ようか出まいか散々悩んだが、答えはすんなり出た。

あはは、俺なんでこんな簡単なことに気付かなかったんだろう。

鳥羽潤…。

彼の名前には潤いがあるじゃないか。

在り来たりな表現かもしれないが、砂漠でオアシスを見つけた時のような高揚感がそこには確かにあった。


その後俺が電話に出て潤くんと、ATMは「あんころもち」の略だと基本、間のTを無視して盛り上がったということは話すまでもない…かな。

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