「フィリップ」 | さきじゅびより【文楽の太夫(声優)が文楽や歌舞伎、上方の事を解説します】by 豊竹咲寿太夫




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 フィリップ






発禁になっていた自伝的小説を映画化した「フィリップ」。

予告編を観た時から観に行くぞと決めていて、今日ようやく観てきました。


曽根座心中が江戸時代から上演禁止になっていたように、時代の政治的な思惑によって物語が禁じられることは悲しくも多々あることです。


この「フィリップ」はナチス、ユダヤ人、戦時中、復讐、というテーマがありながら、昨今多くみられる戦争映画にありがちな戦闘描写を力強く描くことには全く重点を置かず、「オッペンハイマー」のようにひとりの人物の感情を深く追うことに重きをおいた映画でした。


R15+指定のこの映画には、性描写が多く描かれます。

個人的には映画の性描写はあまり好きではなく、登場人物の関係性を描くうえでのスパイスから先を感じられることは少なかったのですが、この「フィリップ」に関しては主人公のフィリップの心理描写を描く上で性描写は必要不可欠な要素でした。


自伝的小説が原作なので、おそらく多くの要素が本当に起こったことです。


人種差別、復讐劇、恋愛要素、ミステリー要素、これらが複雑に絡み合う、深く深く考えなくてはいられない重厚な映画でした。
















豊竹とよたけ咲寿太夫さきじゅだゆう


人形浄瑠璃文楽ぶんらく
太夫たゆう
国立文楽劇場・国立劇場での隔月2週間から3週間の文楽公演に主に出演。
モデルとしてブランドKUDENのグローバルアンバサダーをつとめる。

その他、公演・イラスト(書籍掲載)・筆文字(書籍タイトルなど)・雑誌ゲスト・エッセイ連載など
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