2024.06.文楽若手会in大阪、国立文楽劇場day02 | さきじゅびより【文楽の太夫(声優)が文楽や歌舞伎、上方の事を解説します】by 豊竹咲寿太夫




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 若手会2日目







本日、2024年の若手会が無事に終わりました。


昨日のブログでも書いたとおり、今回の若手会で使用した肩衣袴は師匠の形見の揃いのものを使いました。




昨日書いた意外にもこの肩衣袴を使った理由はあって、牛若丸の衣装の色合いに近いというのも大きな要因なのです。


今回の見台は刀の柄の蒔絵をあしらったものを使用し、五条橋という演目にぴったりなしつらえで臨みました。




五条橋という演目は自分が太夫という仕事を志すきっかけになった演目です。


小学校の時にこの演目に出合い、発表会で牛若丸をしたことで、舞台にたつ高揚感を自覚したことがきっかけでした。




そんな五条橋で、自分の初御目見得の時に着せていただいた肩衣袴を着用し、ひとつの演目の中で自分が後輩たちをひっぱっていく、初心にかえることを念頭に置いてつとめた二日間でした。







客席にお越しくださったお客さまはもしかするとご存知かもしれませんが、客席の後ろ2列ほどは人間国宝の皆さまをはじめとする師匠方と諸先輩方が座ってらっしゃいます。


目のいい演者はたいてい一番後ろの客席まで見えているので、若手会はそういう意味でも途方もなく緊張する日々です。




国立劇場の建て替えにともない、しばらくは大阪のみでの上演となるので、実質的な日数も二分の一になっていますし、この若手会で突き当たる壁というものを毎年大切にしています。




9月の東京公演も若手の大勢に大きな役が割り振られていて、若手会がないぶんお客さまにもそういった雰囲気を楽しんでいただけると思います。






これからも文楽をよろしくお願いいたします!




豊竹とよたけ咲寿太夫さきじゅだゆう


人形浄瑠璃文楽ぶんらく
太夫たゆう
国立文楽劇場・国立劇場での隔月2週間から3週間の文楽公演に主に出演。
モデルとしてブランドKUDENのグローバルアンバサダーをつとめる。

その他、公演・イラスト(書籍掲載)・筆文字(書籍タイトルなど)・雑誌ゲスト・エッセイ連載など
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