【村祐 純米大吟醸 亀口取り】
●特定名称 純米大吟醸 無濾過生原酒
●原料米 「?」(精米歩合?)
●酸度 ? ●アミノ酸度 ?
●日本酒度 ? ●アルコール度 16%
●酒造年度 H21BY
新潟っぽくない?【新潟の酒】
もう3月上旬だというのに、日本列島は急速に発達した低気圧の影響で北日本を中心として大雪となり、東京でも9日の夜から雨が雪に変わって、時ならぬ「春の雪」となりました。
さて、そんな春の宵に選んだ酒は、
【村祐 純米大吟醸 亀口取り】です。
これは、一般的には淡麗辛口タイプが主流の新潟のお酒の中で、甘味に特徴のあるタイプの酒造りで知られる村祐酒造が、季節限定で出荷した純米大吟醸酒で、モロミに圧力をかけずに「亀口」(注ぎ口)から滴り落ちるお酒を、濾過せずに原酒のまま瓶詰めした「亀口取り」です。
なおこの蔵の方針により、アルコール度数以外のデータ(原料米,精米歩合,日本酒度,酸度etc.)は全て非公開で、当然ラベルにも何も記載されていません。
香りは「熟したマンゴー」を想わせるフルーツの香りや、「マロングラッセ」のような甘い菓子類の香りがあり、「やや華やかで、甘くフルーティーな香り」が感じられます。
口当りは芳醇で、艶やかで濃密な甘味が中心となって口に広がりますが、微炭酸の刺激と共にキレのある酸ときめ細かな旨味,そして余韻の苦味がアクセントとして加わることで、強めの甘味に対するバランスが取れています。
後口には優しい甘味が長めに感じられ、コクやボリューム感も十分にあり、「ジューシーな飲み口で、濃密で心地良い甘さが特徴のデザートワインのような味わい」で、誤解を恐れずに言うと「新潟らしくない」タイプの新潟のお酒でした。
この「スウィートな味わい」のお酒は、個人的にはキンキンに冷やしてお酒単体で呑むのがオススメで、「酒の肴」は不要なようにも感じられましたが、3月ということで春の旬菜を2品用意してみました。
まずは【若竹煮】からです。
これは、ボイルした新竹の子を、砂糖と味醂を入れたやや甘めの出し汁で炊いた春の季節の定番料理ですが、竹の子特有の歯応えと微かなエグ味に、若布のほんのりとした磯の香りが加わって、まさに「旬」を感じさせる味わいです。
「村祐」と合わせてみると、艶やかな甘味が「若竹煮」の甘めの出し汁と良く合い、また竹の子の風味がこのお酒の強めの甘味をより上品な甘味へと変化させ、そして余韻の苦味も消えてしまいます。
予想した以上に「キレイに合う」、なかなか面白い組合せでした。
続いての旬菜は【焼きそら豆】です。
「そら豆」はもちろん茹でても美味しいのですが、サヤごと焼くと豆の甘味と旨味がぐっと凝縮し、より一層美味しくなります。
実はこの料理は、3月のオススメメニューとしてお店でも販売しており、通常はサヤが真っ黒に焦げる位まで焼く必要があるのですが、それでは見た目が良くないので、軽くレンジアップしてからオーブンで焼いて提供しています。
塩を振って「村祐」と合わせてみると、お酒の濃密な甘味と「焼きそら豆」の甘味が同調し、こちらは「若竹煮」と違って余韻のほのかな苦みは消えず、むしろ心地良いアクセントとして残ります。
このタイプのお酒は、焼くことで素材自体の持つ甘味が引き出される野菜類と、全般的に相性が良いように思われました。
ワインの世界ではボルドー地方の「ソーテルヌ」の甘口白ワインを筆頭として、「甘口の酒」が一つのジャンルとして確立されていますが、日本酒の世界ではまだまだ「辛口の酒」が主流となっています。
村祐酒造は小さな蔵で、しかも「村祐」の造られる量はとても少ない為、この「素敵な甘口のお酒」が世の中で十分に知られていないのは、とても残念なことであるような気がします…。




























