【HIRAIZUMI 18 山廃純米原酒】
このお酒のデータは…
●蔵元 飛良泉本舗(秋田県,にかほ市)
●特定名称 山廃純米原酒
●原料米 秋田県産「美山錦」(精米歩合60%)
●酸度 2.7 ●アミノ酸度 ?
●日本酒度 +6 ●アルコール度 18%
●酒造年度 H20BY
肉料理に合う【フルボディ日本酒】
早いもので今年も既に2ヶ月が過ぎ、お店でも2月いっぱいで「ふぐ料理」の販売期間を終了し、3月の歓送迎会シーズンへ向けての準備に取り掛かる時期となってきました。
さて、今週WEBサイト上のSAKE SHOPを色々とチェックしていて、興味を引かれたお酒がコレ、
【HIRAIZUMI 18 山廃純米原酒】です。
香りは、昔給食で食べた「玄米パン」のような穀物類の香りや、「稲わら」や「栗の薄皮」を想わせる木質の香りがあり、「ふくよかで丸く、厚みのある柔和な香り」といったイメージです。
口当りにはインパクトがあり、輪郭のハッキリした強めの酸とややトロリとした甘味,そして凝縮感のある旨味とが互いに主張しつつも、しっかりとした呑み応えの中で、ちゃんとバランスを取り合っています。
余韻は長くて後口にはアルコールのボリュームがあり、「ややパンチの効いた飲み口で、骨格のしっかりしたフルボディな味わい」のお酒でした。
このお酒の裏ラベルに、「肉料理に最適です」という趣旨の蔵元からのメッセージがあったので、今回は肉料理と合わせてみることとしました。
まずは【黒毛和牛のステーキ】です。
「黒毛和牛」の美味しさをシンプルに楽しむ為に、塩と黒胡椒だけで味付けしてややレアで焼き上げてみましたが、柔らかな肉を噛み締める度に、肉汁がジュワッと浸みだして来て、口の中いっぱいに肉の旨味が広がります。
「HIRAIZUMI」を合わせてみると、このお酒のボリューム感のある味わいとジューシーな肉汁とがうまく寄り添い、また黒胡椒のフレーバーともOKで、まるでお酒が口の中で合わせる「ステーキソース」となっているような印象を受けました。
続いては【ひな鶏もも肉の串焼き】です。
今回は、同じひな鶏もも正肉の「塩焼き」と「タレ焼き」の両方を、それぞれお酒と試してみました。
まず「塩焼き」の方は、程よい塩加減が鶏もも肉の旨味を引き出していますが、「HIRAIZUMI」と合わせると、お酒のフルボディな味わいがその旨味を完全に包み込んでしまい、鶏肉の味が一時的にではありますが、消えてしまうような感があります。
一方「タレ焼き」の方は、「甘辛味」のタレが「焼き鳥」の香ばしい風味と相まって、飲み物を誘うような味わいです。
「HIRAIZUMI」と合わせてみると、このお酒のしっかりと主張する酸と濃いめのタレ味がうまく溶け合い、また味わいのボリューム感のレベルも丁度良く、お酒と料理の両方の個性を残しつつ相性も良い組み合わせで、個人的にはこのタイプのお酒には「タレ焼き」の方が合うように思われました。
さて、1487年創業で老舗のイメージのある秋田最古の酒蔵が、こんな斬新なデザインのボトルで、しかも蔵元のメッセージとして「肉料理」と合わせて欲しいということを、消費者に対してハッキリとアピールしているということは、日本酒全体の需要の裾野を広げるという点では、ある意味チャレンジ的な取り組みだと思います。
我々利き酒師も、より新たなスタイルに挑戦して、日本酒を世界中に広めていかなくてはいけませんね。