お酒のイベント参加で花巻に行ってきました。せっかく花巻まで行くのだからついでに花巻名物らしい場所に行こうと早めに乗り込み、あいにくの雨模様の中ふらふらと駅前すぐの商店街を歩いていきます。
商店街入口。
風情のある町並みです。
ところどころ新しい若い店が入っているあたりに地元愛が伺えます。
駅前から15分弱ほど歩いたところで目的地の大きい建物が見えてきます。ここが花巻名物の「マルカン大食堂」です。
ライトが見える場所が目的地です。
この場所はかつて「マルカン百貨店」という建物で、名前の通り百貨店として食料品や衣料品などを一手に扱う花巻市民に愛されていました。特に6階の大食堂は花巻市民ならず岩手県民に愛される場所として、常に席が埋まっているような賑わいでした。しかし時代の流れで地下の食料品売場が閉店し、2011年に起こった東日本大震災から数年後の耐震テストで老朽化が指摘され、2016年に一度完全閉店となったという歴史があります。
ですが、物語はここから始まります。同じく2016年に「マルカン大食堂を存続させたい」という目的でクラウドファンディングが立案され、無事に目標額に達成したのです。6階のみを安全に使用できるようにと百貨店内を大幅に改修し、2017年に「マルカンビル大食堂」として経営をスタートさせたという奇跡の復活劇を果たしたのです。どれだけ岩手の人に愛される場所であったかはクラウドファンディングの結果が物語っています。
使用している場所はここだけです。ほぼ直通エレベーター。
雨模様でしたが、土曜日ということもあって席は半分ほど埋まっていました。ここの名物のひとつである「ナポリかつ」という「ナポリタンの上にカツと特製ソースが載っているプレート料理」があるのですが、早々に売り切れていました。昔ながらのレストランだけあってどの洋食も懐かしい雰囲気があって美味しいものが多いです。愛するべきケチャップ味ですね。今日はこのあと食事もあるので料理は頼まず、ここのもう一つの名物を注文しました。
マルカン大食堂名物!ソフトクリーム!(180円)
なんと10段巻きのソフトクリームです。このスケール感で180円という価格には驚きを隠せません。このままかぶりついてもいいのですが、この高さを保ちながら食べるのはとても大変なものです。それならどうするかというと、歴史に則った食べ方の作法があるのです。
箸で食べるのです。
奥の箸入れもここの名物ですね。
味わいは決して甘すぎず、濃すぎないまさしく昔ながらのソフトクリームなのでこのボリュームでも飽きずに食べ切れます。自分はコーヒーとソフトクリームを注文し15分ほどで完食しました。どうしても食べている最中に溶けてくるので、下にお手拭きを敷いておくとテーブルを汚さずに済みますね。食べ慣れてる人はほとんど垂らさずにハシを駆使して食べきると言います。
食べている最中にも客は増え続け、この日は予約もあったのか気がつけば奥のテーブルがかなり埋まっていました。決して観光客だけでなく、明らかに地元の中学生なども集まってソフトクリームを食べているのが日常感を醸し出しています。そうなんです、ここは花巻市民の「当たり前の場所」なんですね。とても大切な場所なんだと実感できました。
エントランスでは花巻の名産品やマルカン大食堂グッズを扱った売り場になっています。子供を遊ばせておく場所もあり、地元の素材を活かしたおもちゃで遊んでいるのが印象的でした。ここでちょうど新商品のマルカンソフト味のキャンディーがあったのでお土産に購入しました。同じ原料を使って作られているということで、まさに本物のマルカンソフト味ですね。
このエンゼルもマルカン名物らしいですね。
久しぶりに行ったマルカンは、いつでも変わらず岩手県民に愛されているということを感じさせられる場所でした。今度はちゃんとご飯を食べに来たいですね。盛岡駅から花巻駅までは電車で40分程度で到着します。花巻は宮沢賢治の故郷なので、駅からの散歩中そこかしこに賢治の作品をモチーフにしたオブジェがたくさんあります。少し離れた場所になりますが宮沢賢治記念館もありますので、ゆっくり花巻を観光してみても面白いかも知れませんね。