7月も終わりになりますます暑さが増してきています。今年は東北の残暑も厳しいと予報も出ていますので、水分や休養はしっかりと取っていきましょう。今回の岩手のお酒紹介は前回のベアレンビールに続いて岩手のビール紹介です。ブランド的には日本でも屈指の有名さを誇る「銀河高原ビール」の紹介になります。
日本で地ビールブームが巻き起こった1994年から二年後の1996年に銀河高原ビールは創業しました。設立年度は岩手が代表する作家・宮沢賢治の生誕100年ということも有り、著作の「銀河鉄道の夜」から名を取り銀河高原ビールと命名されたのです。発売以来地ビールブームの後押しもあり、順調に売上を伸ばしていましたがブームの終了で徐々に落ち着き事業縮小になりました。しかしその後も日本を代表する地ビールブランドとして定着し、関東でもコンビニで買えたりする地ビールですね。2017年に地ビールの販売量日本一の「ヤッホーブルーイング」に全株を買われていますがラインナップに変更はありません。今回は代表銘柄三種類を紹介していきます。
まずは銀河高原ビールの定番中の定番である「小麦のビール」です。名前のとおり小麦をメインで使っているビールで、ヴァイツェンを基にしたオリジナルスタイルになるそうです。無濾過のために少し濁った黄金色の液体の上に、しっかりと崩れない泡が乗るのが特徴です。ヴァンツェンに近い製法のため、香りはバナナのような甘さがふわっと香ります。泡の優しさもあり口当たりは非常に柔らかく、果実のようなフルーティーな甘さを感じられます。全体的に優しい味わいの中に麦のコクも感じられる、非常に繊細で優しい味わいです。缶であっても必ずグラスに注いで楽しんでほしい一品ですね。
続いては「ペールエール」です。こちらのスタイルはそのままペールエールで、上面発酵が特徴の世界的に歴史的な製造法のビールです。色は濃い目の琥珀、赤褐色に近いと言ってもいいですね。香りは強めの穀物と酵母の甘さと香ばしさを強く感じます。泡持ちは小麦のビールほど長くないですね。口当たりは強くありませんが、優しいというほどでもありません。味わいとしては香ばしさがまず感じられ、それからモルトらしい甘さが広がります。わずかな酸味とホップの苦味が全体を引き締め、喉越しにキレを与えて爽やかにしています。のどごしの良さを楽しんでもいいですし、モルトの持つ豊かな風味をじっくり楽しんでもいい懐の広いビールです。
今回のラストを飾るのは「ヴァイツェンビール」です。小麦のビールもヴァイツェンに近いスタイルなのですが、こちらはそのままヴァイツェンビールを名乗れる製法ですね。もっと厳密に言うと無濾過で酵母がたっぷりはいったへフェ・ヴァイツェンになります。最大の特徴は非加熱のビールであることで、要冷蔵のチルドビールとして販売されています。香りは小麦のビールよりも強烈で、バナナを思わせる果実香がフレッシュさを伴って広がります。フルーティー、芳醇など香りの豊かな表現がぴったりです。口当たりも滑らかで、フレッシュな酸味を持つ甘さが口の中で広がっていきます。小麦由来の柔らかさや優しさもしっかりあり、甘さとコクとキレの豊かな風味をたっぷりと味わうことが出来ます。生にこだわった製法だから持つ、酵母のフレッシュさを口いっぱいに感じられる素晴らしい味わいですね。
地ビールを代表するブランドということもあり、すべてが非常に完成度の高いビールです。特にヴァイツェンは一度飲んで欲しいのですが、どうしても要冷蔵ということで地元以外では手に入りづらく若干ハードルが高くなってしまいますね。公式サイトにオンラインショップがあるので気になる方はこちらで購入してもいいと思います。次回は限定ビールの紹介の予定です。
※記事内のすべての画像は銀河高原ビール公式サイト内の画像を使わせてもらっております。