SINGULARITY/シンギュラリティ
1. [caution]
2. VR-仮想現実-
3. Phoenix
4. 在宅シンデレラ
5. ダメセフレ。
6. ブレBrain
7. 未完成Dreamer
2024年に結成されたシンギュラリティによる1stデジタルミニアルバム。
ロックバンド・Drive at your Brain、メンズアイドル・SHIBUYA SIXX、ソロアーティスト・Jekyllと、ジャンルの壁を感じさせない活動をしてきたex-BLAIVEのJekyllさんが、満を持してヴィジュアル系バンドを結成。
初音源として、早くも7曲を収録したミニアルバムをリリースしています。
リード曲となる「VR-仮想現実-」が「BREAK OUT」の月間エンディングテーマに選ばれるなど、スタートダッシュに成功。
基本的に、作詞はJekyllさん、作曲はGt.健登さんが担当しているようですね。
AIが人間の脳と同じレベルに到達する"技術的特異点"の意味を持ったバンド名。
アートワークやサウンド面でもサイバーな世界観を取り入れており、一見してキラキラ系バンドとカテゴライズしてしまいたくなるのですが、コンセプチュアルな設定をしっかりと持っているというのが、ありそうでなかった視点でした。
音楽性としてはバラエティに富んでいて、ノリの良さを意識しつつもメロディを重視しているのかな。
ヴォーカリゼーションだけをとっても、ラップもシャウトも器用にこなす等武器が多い中で、デジタルサウンドに埋もれない歌声をシンプルに押し出しています。
やはり、ヴィジュアル系バンド・シンギュラリティとしては、世界観が濃厚でスピード感のある「VR-仮想現実-」がキラーチューン。
とはいえ、メンヘラ系に寄せた歌詞で生きづらさを切り取った「在宅シンデレラ」や「ダメセフレ。」、バンドサウンドでの生々しいグルーヴ感を押し出す「ブレBrain」など、"仮想現実"のテーマから少し離れた楽曲も個性派揃い。
必ずしもコンセプトに忠実とは言えないものの、あえて制約に縛られず、自由度を高めているところが彼らの場合は功を奏しているのでしょう。
結果として、耳に残る楽曲が多く誕生しており、マンネリ化を心配する必要がないくらいアプローチも様々。
Jekyllさんの特殊なキャリアをうまく還元できているのでは。
なお、BLAIVE以降の活動でずっとコンビを組んでいたGt.可憐さんは、レコーディングやミックス・マスタリングのエンジニアとして参加。
バンドを組むなら一緒にやるものだと思っていたのでメンバーに含まれていないのは意外でしたが、こうしてクレジットされていると妙な安心感が。
またひとつ、クオリティの高い新バンドが誕生しました。