A Hard Day’s Nite / Am Amp | 安眠妨害水族館

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A Hard Day’s Nite/Am Amp

 

1. A Hard Day's Nite

2. SUGAR SPOT

3. 責愛

4. chime ga nattara

5. 雨鳴

 

ヴィジュアル系を代表してBa.矢沢もとはるさんが単身赴任中のAm Ampによるミニアルバム。

 

2023年に"KOKO RECORDS × コロムビア"からのリリースとなった本作。

ジャケット違いの3タイプが発表されています。

収録された5曲は、すべてVo&Gt.須賀京介が作詞・作曲を担当。

宮田ʼレフティʼリョウ氏をプロデューサーに起用してのメジャーデビュー作となりました。

 

リード曲となる「A Hard Day's Nite」は、80'sのディスコサウンドをベースにした爽やかなダンスロック。

朝をイメージさせるクリアなシンセに、優しい歌声。

一方で、どこか疲れた表情が見えるところに、テーマである"働く男"が見え隠れしているでしょうか。

 

バンド色を強めて、現代的なデジロックを展開する「SUGAR SPOT」。

ポップス調に仕立てて、切なさを強調した歌モノ「責愛」。

しっとりと大人びたサウンドに、雰囲気重視のラップやメロディを重ねる「chime ga nattara」。

どれひとつとして同じような楽曲が存在せず、ヴォーカルスタイルも、それに合わせて変化させてしまう柔軟性。

男らしくも、女性的なニュアンスも出すことができる器用さに、須賀さんのポテンシャルの高さに感心せずにはいられません。

 

このバラエティ性は間違いなく武器なのだけれど、正統派のギターロックを聴いてみたいよな、となったところで「雨鳴」が待っているのもニクい演出。

ヴィジュアル系からメンバーを引っ張ったからには、こういうのを待っているリスナーはいてしかるべし。

テクニカルなバンドの掛け合いも楽しめるうえ、エモーショナルな歌メロにはグッときます。

 

正直なところ、まだまだソロプロジェクトの派生形といった印象が強いかな。

バンドだからこその化学反応は、もっと呼び起こせるはず。

まずは、お洒落なロックというふんわりとしたイメージに代わる、明確な軸がほしいですかね。

とはいえ、この引き出しの豊富さは確かな武器。

シーンが違えば、求められるものも当然違うのでしょうが、今後確立されていくであろうメンバーの個性で更にカオティックに引っ掻き回せれば、鬼に金棒となるに違いありません。

 

 

 

 

<過去のAm Ampに関するレビュー>

PZA