人工知能の性的欲情 / Remage | 安眠妨害水族館

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人工知能の性的欲情/Remage

 

1. 胎内実験

2. 月夜の子守唄

 

Matinaレーベルから1,000本限定でリリースされたRemageの3rd CT。

 

1998年に3本のデモテープを発表した彼ら。

いずれも2曲ずつを収録しています。

本作に収録されたのは、「胎内実験」と「月夜の子守唄」。

どちらもVo.蒼月さんが作詞、Gt.リョウさんが作曲を担当しており、彼らの二面性を示すような作品に仕上がっていました。

 

「胎内実験」は、彼ららしい無機質さとハードさが共存したダークチューン。

ノイジーな機械音からスタートし、不気味なベースのフレーズが鳴り響いたと思ったら、せり上がってくる激しさの波に飲み込まれています。

煽りパート的な部分はともかく、歌メロがある部分の速いリズムを維持。

そんな中で、間奏だけはドロリとした空気感になるのも面白いのでは。

 

「月夜の子守唄」は、退廃的なミディアムナンバー。

歌モノと呼ぶには不穏すぎる、ヒリヒリとした空気感に包まれています。

メロディアスになるとピッチが不安定になるのは、この時代のダークバンドではご愛敬、といったところですが、それも含めて趣深い。

もったいないのは、「胎内実験」と比較しても、だいぶ音質が悪く感じてしまうところでしょうか。

意図的なノイズが加えられている、と注意書きがあるものの、聴きにくさが先立ってしまっているような。

 

「胎内実験」は、長い間CDには未収録となっていましたが、2022年、「PRELUDE~Anthology of Brilliance~Vol:I」に収録。

「月夜の子守唄」は、先んじて2001年の「Prelude:2 ~en effort of resalt~」に収録されていたため、2曲とも解散後にCD化された形ですね。

その意味ではコレクターアイテムとなるのですが、「月夜の子守唄」のノイズは、カセットで聴くからこそのギミックなのかと。

本来の制作意図を感じるには、やはり現物が一番なのかもしれません。

 

<過去のRemageに関するレビュー>

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