REGRET/蜘蛛-kumo-
1. 「戒」
2. 反逆生命
3. REGRET
4. -052-
5. forever
群馬を拠点に活動していた蜘蛛-kumo-による唯一のミニアルバム。
愚裸魅會のVo.k-juさんが佳樹名義で在籍。
2000年から2003年まで、わずか3年弱の活動となり、知る人ぞ知るダークバンドといったところでしょう。
本作は2002年に発表された作品。
限定1,000枚でのリリースでした。
90年代後半の流れを汲んだコテコテバンドのど真ん中。
まさに王道といったところなのですが、現代の懐古主義的なコテコテバンドとは違った分岐をしている印象です。
というのも、発狂シャウトとツタツタドラム、というテンプレートに頼る部分は少なく、退廃的なミディアムナンバーや、ヘヴィーなサウンドに変拍子を取り入れて息苦しさを表現する楽曲など、名古屋系にカテゴライズされそうな音楽性も得意としていたから。
群馬という地域の特性なのか、素直に激しい楽曲や、リードギターが切なさを駆り立てるメロディ重視の楽曲もある中で、コテコテ感のごった煮のような世界観を織りなしていました。
まず人気が出そうなのは、疾走メロディアスチューンの「forever」。
マニアックな楽曲をボディーブローのように連続で叩き込んだうえで、最後の最後に泣きのメロディを持ってくるのだもの。
溜めて溜めて、ラストでカタルシスをぶちまけてくれます。
言い換えれば、そこに至るまでのインパクトに欠けるということでもあったのですが、キラーチューンばかりを詰め込むのではなく、ダーク系の範囲の中でバラエティを散らした構成が、本作を長く聴くことができる作品へと押し上げていますね。
若さや時代性もあり、歌声がこもり気味なのは惜しいものの、それも含めてコテコテバンドの魅力。
スルメ系とも少し違う、リアルタイムでは埋もれてしまいがちだったけれど、熟成させたところで真の旨味が出てくる1枚です。