venefica / Generich. | 安眠妨害水族館

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venefica/Generich.

 

1. venefica

 

オムニバスアルバム「SYNERGY」シリーズとの連動特典として配布されたGenerich.のシングルCD。

 

Generich.が主催するオムニバスアルバム、「SYNERGY-resonant-」、「SYNERGY-sympathy-」、「SYNERGY-symbiosis-」の3枚をGenerich.のオフィシャルショップから購入すると配布された作品。

最初の2枚がリリースされた時点ではアナウンスがなく、3枚目となる「SYNERGY-symbiosis-」のリリース時に特典音源の発表があったのですが、手続き不要で過去の購入分もカウントしたうえ発送してくれるのがありがたいです。

 

収録された「venefica」は、Gt.一真さんが作詞・作曲を担当。

ダークな世界観を帯びていて、Vo.泰さんの艶やかな歌声とともに淡々と進行していきます。

序盤は特にアンニュイな要素が強くて、雰囲気モノだと思ってしまいそうになるのですが、中盤から一気に展開が生まれ、そこから禍々しい渦に飲み込まれていくような感覚。

明るいのか、暗いのか、楽しいのか、悲しいのか、感情が行方不明になるにも関わらず、またこの闇を覗いてみたくなるドラマティックな構成に、ため息が漏れますよ。

最初は消えていた印象のギターも、いつの間にかするするっと前に出て泣きのフレーズを弾いているからズルい。

ユニット形式でありながら、生バンドでのレコーディングにこだわっているからこそのアンサンブルも活きていました。

 

特典CDの位置づけだとしても、Generich.は手を抜きませんね。

特別仕様"shroud"ということで、B5サイズの厚紙を二つ折りにして歌詞カードにしたアートワークも然ることながら、CDの周囲をステンレスのような網で包んでいて、まるで繭のようなイメージを受けるのです。

これもまた、手間とコストを惜しまず、デザインにおける美意識を持った彼ららしい作品と言えるでしょう。

 

<過去のGenerich.に関するレビュー>

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