協奏曲 ~耽美なる血統~/JVM Roses Blood Symphony
1. 協奏曲 ~耽美なる血統~
2. 協奏曲 ~耽美なる血統~ [Instrumental]
JVM Roses Blood Symphonyによるメモリアルシングル。
Moi dix Mois、Versailles、D、摩天楼オペラのメンバーが1月1日に発表した"Japanese Visual Metal ~共同声明~"。
シンフォニックなメタルサウンドと、美麗な視覚的アプローチを融合させ、永年シーンを牽引してきた4バンドが、新たに"Japanese Visual Metal"シーンを創造しようと打ち出されたプロジェクトです。
本作は、立ち上げを記念して制作されたシングル。
10月2日のZepp Haneda公演がファイナルとなるZeppツアーでは、各バンドごとに会場限定盤も発表。
Seth、KAMIJO、ASAGI、苑、それぞれのソロヴァージョンがカップリングに収録されており、それらに代えてInstrumentalヴァージョンを聴くことができる通常盤も一般流通にてリリースされました。
そんなJVMのアンセムとなるのが、「協奏曲 ~耽美なる血統~」。
KAMIJOさんが原案を構築した正攻法の耽美メタルに仕上がっていて、クラシカルでドラマティックな構成、テクニカルかつスピーディーな演奏、そして中世ヨーロッパ的な世界観や美意識を纏いながら、日本人の耳にフィットする歌謡メロディ。
どこを切り取っても、このメンバーで演奏する意味を持たせるとしたらこういう楽曲だよね、という納得感のある内容になっているのではないでしょうか。
タイプの異なる4人のヴォーカリストがメインにコーラスにと入れ代わり立ち代わりで歌うスタイルの面白さも然ることながら、Manaさんらしいチェンバロのサウンドや、ASAGIさんらしいオペラティックなクワイアパートなど、主要メンバーの個性を活かすアレンジも気が効いています。
KAMIJOさんはコンセプトメーカーとして存在感を発揮、苑さんはこの中にあっても埋もれずに圧倒的な歌唱力を見せつけていて、アートワークこそMana様が大ボスとして君臨している感がありますが、楽曲上のバランスとして誰が目立つということなく、全体で押し上げていこうとするメッセージを感じられるのですよ。
"Japanese Visual Metal"シーンを創造、とのコンセプトですが、ファン目線では、"耽美系"というサブジャンルでカテゴライズされていたかなという肌感覚。
これからも耽美系と呼ばれるのか、JVM系と呼ぶようになっていくのかは、この活動が定着するかにかかっているのかもしれません。
Dの活動休止が発表されているだけに、今後の展開は気になるところですね。
何はともあれ、単純にオールスター感が物凄いですし、ヴィジュアルインパクトは抜群。
アートワークを見るだけでもワクワクする1枚です。