そのスピードで/dove dove dove
1. そのスピードで
優しく奪って/dove dove dove
1. 優しく奪って
オフィシャルnoteで公開された2曲のデモシングル。
ex-yazzmadのVo.ナオキさんによるソロプロジェクト、dove dove dove。
表立っての音楽活動は停止している状況に見えますが、年に数曲のペースでデモ音源を公開してきた彼。
好きな歌を好きなときに好きなように歌う、というコンセプトのもと、あえてnoteでのフリー公開としているようです。
そんなナオキさんが、8月に入り、これまでのペースとしては異例となる2曲の歌モノをドロップ。
ここにきて制作意欲が高まってきたのでしょうか。
「そのスピードで」は、ミディアムテンポのロックチューン。
シンプルなバンドサウンドで、最大限のドラマ性を、といったことを考えたかどうかはわかりませんが、リフの強さで引っ張りつつ、神経質なドラムとベースが後半に進むにつれて伸びやかに広がっていき、気が付くと壮大な渦に巻き込まれているのがとても印象的で、音楽にストーリーを生んでいます。
高音質が溢れている中で、デモテープ的なローファイなサウンドを意識している部分もありそう。
そうはいっても音割れが多いのは気になるのだけれど、これも演出によるものなのか、収益性を無視しているからこその限界点か。
続いて発表された「優しく奪って」も、大きく方向性は変えずに、淡々とした雰囲気やアンニュイさを更に強めたイメージ。
しかし、この楽曲は聴いたときのテンションで表情が違って見えるから面白い。
暗い気分のときは、低体温のまま寄り添ってくれるようなテンションの低さがって、あえて感情が外に出ないようにしているように聴こえます。
一方で、前向きな気分のときに聴けば、それは一変。
テンションが高いとは言えないまでも、熱っぽく夢を語るような感情的な一面が見えてくるような気がして、ある種、鏡のような楽曲になっていますね。
いずれにしても、佳曲であるというのは大前提として、音質にもったいない部分あり、というのが総評。
正式音源化を見据えながら公開しているわけではなさそうですが、リテイクやリマスタリングをするフェーズが今後あってほしいなと考えたときに、そこへの期待が否が応でも高まってしまいますよ。
<過去のdove dove doveに関するレビュー>