Sadgaze/dove dove dove
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Sadgaze
250円
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1. Sadgaze
ex-yazzmadのVo.ナオキさんによるソロプロジェクト。
初音源となる、デジタルシングルです。
サポートメンバーには、ex-yazzmad、BräymenのGt.健希さん、ex-otoiro、ex-dishes are schemingのBa.オイヌマ ヒロキさん、The NostradamnzのDr.上邑 隼人さんが参加。
ナオキさんと親交の深い面々が揃ったという感触で、当然にして、ツボも知っているといったところ。
ナオキさんの過去のバンドが継続していたら、こういう音楽性に辿り着いていたのではないか、といったアレンジに仕上がっていて、既にコンビネーションは出来上がっていると言えるでしょう。
収録された「Sadgaze」は、内向的な歌詞を、浮遊感のあるサウンドに乗せて歌い上げるミディアムロックです。
序盤は、淡くぼやけたような色彩。
ふわふわと実態がないかのごとく、透明感のある歌声と、楽器の音色が遠くで響いているよう。
そんな空間を意識した音使い、このシーンでは珍しい気がしますね。
対して、サビ以降は、エモーショナルなバンドサウンドで、輪郭をくっきりと描いていきます。
シューゲイザーやオルタナロックを齧ったアンサンブルが、壮大に広がっていく光景は鳥肌モノ。
穏やかに歌っていたナオキさんも、気が付いたら感情が爆発しており、このスイッチの切り替えこそ、彼の表現力の肝だよなと。
プログレッシブな間奏も、楽曲のドラマ性を高めていました。
アレンジにより、とてもアーティスティックな風合いになっている一方で、メロディラインは実はキャッチーというのも見逃せない。
言葉を詰め込みつつ、印象的なフレーズはしっかりと聴かせ、シンプルにサビメロを弾き語りでもしたら、J-POPとしても十分に通用しそうなわかりやすさがあります。
もちろん、凝ったアレンジにしたことで、とっつきにくくなったわけではなく、普遍的なポップスに独自の解釈を加えて、オリジナリティを創出したことがポイント。
結果として、独りよがりではない、絶妙な匙加減でのアート性を生み出すことに成功しているのですよ。
春にはミニアルバムのリリースも予定しているとのことで、こちらも期待大。
ナオキさんの歌声が再び聴けるという喜びに加え、サポートメンバーがどのように作品に絡み、ケミストリーを起こしていくのかという楽しみな要素も。
まずは、配信中の本作を聴いて、来たるべき日に備えたいものです。