PARADISE/ヘルブロス
1. 灰泥
2. Pendulum
3. アイボリー
4. Signal
5. Voyage
6. 天夢
7. PLAN“B”
8. タイムマシン
9. 紋白蝶
10. ドラマ
11. Joker
12. ラクエン
ライブ会場とオフィシャル通販限定でリリースされたヘルブロスの1stフルアルバム。
Vo&Gt.夢人、Gt.千歳、Ba.てら、Dr.大熊"けいと"邦夫という編成で、2021年に正式始動。
当初はセッションバンドの延長線上といった印象でしたが、ここにきて本格的な活動ペースになってきています。
もとより、ライバル関係にあったベルとChanty。
その中心人物であった夢人さんと千歳さんが、それぞれバンドを脱退して新たにタッグを組んだ形。
更にはリズムを支えるメンバーも、ex-NEVERLANDとex-Ruvieと音楽的な親和性が高そうなラインナップとなれば、嫌でも期待が高まるというものでしょう。
マイペースな活動というのを公言していた彼らにとって、フルアルバムはある種の決意とも映る。
先行して発表されていた「Voyage」、「アイボリー」、「ドラマ」を含む全12曲。
5月に発表されて以降、ようやく通販での取扱が開始されたと思えば、はやくも次のシングル「Contact」がリリースされており、もはやマイペースという域は踏み越えてきたな、と。
メインコンポーザーは千歳さんが担当しており、半数以上となる7曲の作曲を担当。
残りは夢人さんが2曲、てらさんが3曲という内訳となっています。
これまでに渡り歩いてきたバンドと比較すれば、夢人さんの楽曲が少なすぎる気がしないでもないですが、作詞はすべて自ら手掛けており、世界観への嚙み込みは十分。
夢人成分が足りないな、とは感じることなく最初から最後まで聴き切ることができました。
お洒落なフレーズを塗した、ダンサブルであり歌謡曲ライクでもある楽曲たち。
ロック色を強めるときは、リフのインパクトを強めて。
歌モノでも、四つ打ちリズムを巧みに用いて落ち着きすぎないように。
衝動性は織り込みつつも、粗削りとは言わせない丁寧な作り込みをしているのがさすがといったところで、いちいちメロディも立っているから溜め息が漏れます。
ミニアルバムやシングルからの流れを踏まえた集大成的な作品であり、大きなサプライズこそありませんが、欲しいものを届ける需要と供給の理想の関係。
彼らの音楽の潜在的なニーズはまだまだ眠っていると思われるので、露出を増やして、届くべきところでの認知を高めたいところです。
もう少し、通販サイトが使いやすいと良いのだけれど。
<過去のヘルブロスに関するレビュー>