NoW TESTAMENT / NoGoD | 安眠妨害水族館

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NoW TESTAMENT/NoGoD

 

1. Renatus

2. What do you say

3. ソラノカナタ

4. If possible

5. mind’s eye

6. 屍を越えて行け

7. Never fade away (NoW ver.)

8. 玉と砕けろ

9. イラナイセカイ (NoW ver.)

10. 現約聖書

 

約4年ぶりのアルバム作品となった、NoGoDのメジャー7thアルバム。

 

Gt.Kyrie、Ba.華凛という両翼を失っていた形の彼らですが、本作より、Ba.hibikiさんが正式加入。

また、様々な音楽プロジェクトに参加するギタリスト、Iyoda Koheiさんが全面参加となり、遂に新体制でのリスタートとなりました。

Koheiさんは、クレジット上はサポートメンバーとなりますが、ライブやレコーディングのみならず、アーティスト写真やメディア露出、あるいは作曲やアレンジまでこなしており、既に欠かせない存在になっているのかと。

正式加入を待たず、新体制と銘打ったアルバムを発表してしまうのも、勢いで突っ走るNoGoDらしいのかもしれません。

 

制約を生むようなコンセプトは設けず、今やりたい楽曲を詰め込むのが彼ら流。

そういう意味では、メンバーチェンジをしても変わらないと言えるのですが、新メンバーたちによる新鮮なアイディアや、コロナ禍での停滞へのフラストレーションが反映されないはずもなく。

結成時より得意としており、王道であるはずのハードロックやヘヴィーメタルですら、新鮮で刺激的に聴こえてくるのです。

そもそも、導入SEとなる「Renatus」や、ラストを飾るリードトラック「現約聖書」の原曲は、サポートであるはずのKoheiさんが担当しているとのこと。

源流的なメタルナンバーですが、「現約聖書」の曲中に、「Renatus」のフレーズを再び登場させ、物語性を演出するような試みが、意図的にコンセプチュアルな作風を避けてきた彼らにとっては斬新に映るのも事実。

フレーズの癖も強くて、Kyrieさんの不在を感じさせない演奏力の高さを見せつけています。

 

また、原理主義に舵を切りすぎることもなく、バラエティ性を広げるアプローチも継続。

そこでも、今まで以上の振れ幅を見せていて、パーティー感のある「ソラノカナタ」、「If possible」のコンボや、ドラマティックなダークチューン「mind’s eye」など、意外性はあれどしっくりくる、絶妙なラインを撃ち抜いてきます。

特に興味深かったのは、「屍を越えて行け」と「イラナイセカイ」。

前者は、団長さんがソロで弾き語りをしていた楽曲をバンドアレンジしたもの、という触れ込みで、ここまでがっつり正統派のメタルに仕上がってくるのが、逆の意味でサプライズ。

ハイトーンを武器とする彼の、低音の響きが強調されているのも特徴でしょう。

後者は、メタル色を消し去って、お洒落さすら感じるポップネスを打ち出しつつ、メッセージ性は極限まで詰め込んだ軽快なナンバー。

正々堂々と邪道を貫く楽曲も、これまでありそうでなかったのでは。

 

これらを包含しながら、直球勝負で突き抜けて、ライブへの導線となっていきそうな「What do you say」、「Never fade away」、「玉と砕けろ」も言うまでもなく佳曲であり、勢いを創出。

やはりキラーチューンとなるのは「現約聖書」とはなるものの、大きい粒がたくさんある、という印象です。

パワーダウンしたとは言わせない。

今のNoGoDを、これでもかと表現している力作ですね。

 

 

 

<過去のNoGoD(新興宗教楽団NoGoD)に関するレビュー>

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