Missing/NoGoD
Missing 1,728円 Amazon |
1. Missing
2. Nightmare
3. 不完全肯定論
4. emotional disorder(live version)
5. 桃源郷へようこそ(live version)
NoGoDのメジャー7thシングル。
パッケージでのシングル作品は、実に4年ぶりとなりました。
表題曲がバラードというのも、彼らにとっては挑戦だったのではなかろうか。
演奏テクニックにしても、歌唱力にしても、十分にバラードを聴かせることができるバンドであることは既に証明されていますが、久しぶりのシングルで繰り出すとなれば、やっぱり勢いや激しさも期待したくなるわけで。
ニーズを踏まえつつ、あえてそれをひっくり返す。
それが奏功して、新境地を目指す意気込みが伝わる作品に仕上がったのではないかと。
さて、その「Missing」ですが、バラードと一口にカテゴライズしたのはいいのだけれど、美しく広がる壮大なナンバーを想像すると戸惑ってしまうかもしれません。
もっとも、Vo.団長さんの伸びやかなハイトーンボイスにはそんな要素を感じられなくもないのですが、どちらかと言えば、喪失感や閉塞感の中で、光を探そうともがくイメージ。
サウンドもメタリックで重々しく、がっつりギターも主張しているのがNoGoDらしくて格好良いですね。
本音としてはメロディにもインパクトが欲しかったところですが、アルバムに入れば、また違う顔を見せてくれそうなポテンシャルを感じました。
カップリングの「Nightmare」は、テンポこそ遅めだが、重低音を効かせてハードロック風に。
シャッフル調のリズムに、掛け合いがライブに映えそうなサビ。
1曲目からの流れもあり、"これまでとは一味違うNoGoD"の印象を強めていきます。
一方で、「不完全肯定論」はイントロからメタリックなフレーズが目白押し。
メロディアスに疾走しては、キャッチーなサビへと展開する王道的な楽曲で、こちらのほうがシングルっぽいとすら思ってしまいます。
結局のところ、これが入ることでバランスがとれているのですが、曲順によって聴こえ方がガラっと変わるのも音楽の面白さ。
仮に1曲目と3曲目が入れ替わっていたら、きっと地味な作品になってしまっていたことだろう。
演出が上手かった、ということですな。
3曲でも十分聴きごたえあり、ではあるのだが、プラスアルファで、1月に開催されたTSUTAYA O-WESTでのライブ音源が2曲追加されているからお得感も強まった。
収録されたのは、デジタルシングルとしてリリースされた「emotional disorder」と、アルバム「Renovate」を締めくくった「桃源郷へようこそ」。
彼らの真骨頂はここにある。
ライブでもこの演奏クオリティかよ、と溜息が出る部分もあれば、少しコミカルな煽りが聞こえてくる部分もあって、なんだかんだでライブバンドなのだな、と感心してしまいますよ。
表題曲1曲でガツン!というタイプのシングルではないものの、総合力で勝負。
NoGoDには地力があるぞ、とリスナーに提示した1枚です。
<過去のNoGoD(新興宗教楽団NoGoD)に関するレビュー>