- 神無布教(初回限定盤)(DVD付)/新興宗教楽団NoGoD
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1. 信者之行進（Instrumental）
2. 愚蓮
3. 七色
4. きらら
5. 黒灰
6. さようなら ありがとう
メジャーデビューを果たしたNoGoDの、インディーズ時代のミニアルバム。
デビューにあたり、「新興宗教楽団」が名前から外れたあたり、大人の事情を感じますね。
バンド名からは、もっと宗教音楽的なドロドロ、ダークさを取り入れたバンドなのかな？というイメージがありましたが、音を聴いてみたらまったくそんなことはなく、メタル要素のあるヴィジュアルロック。
そういう意味でも、改名への抵抗はそこまでなかったのでしょう。
鼓笛隊の行進のようなインストからはじまり、いきなりのキラーチューン「愚蓮」から幕を開けるこのアルバム。
シングルからの再録となりますが、この曲でアルバムの出来を印象づけているような存在感があります。
メロが立っていて、演奏が派手で、構成もなかなか癖がある。
現在でも代表曲として、重要な位置で演奏されていますね。
このバンドは、ベースにある音楽はメタルやラウドといった激しさ重視のものなんだと思うんですが、続く「七色」のポップナンバーぶりに見られる、単純に明るい曲、可愛い曲も堂々とできるのが強みなんだと思います。
音楽性的なこだわりというか、プライドというか、そういったものに邪魔されて、はじめからそれを狙ったオサレ系バンドしかやっちゃいけないようなブリブリのポップソングも要所要所で使って来て、ライブでも演奏する。
この、ヴィジュアル系バンドに媚びない感じがたまらない。
開き直りが音楽性の幅を広げているバンドなんて、このバンドくらいでしょう。
シャッフル系の曲「きらら」や、激しさ重視の「黒灰」、ラストを飾るにふさわしい「さようなら ありがとう」といったセツナロックまで、曲のバリエーションは豊富で、いわゆるヴィジュアル系が好きな人には、どれかは刺さるだろうな。
そして、何よりこのバンドの魅力は、ボーカル・団長のキャラと、歌唱力、演奏力のクオリティの高さのギャップにあるでしょう。
ex-Waiveの田澤さんにも通じるところがある、安定したハイトーンボイスは、癖も少なく素直に惚れ惚れとする伸びやかさを持っていて、メタル的な曲にも耐えうるドラムやベースの重低音のタイトなフレーズも、素人耳にも格好良い。
そして、巨匠ことKyrieさんの圧倒的なギターテク。何だ、この速弾きは！と驚かざるをえないテロテロピロピロしたギターソロは圧巻。
この頃はまだ下手ギターだったので、このCD中では控えめではありますが、それでも相当のテクを持っていることはうかがい知れると思います。
その演奏を支えるフロントマンが、マシンガントーク炸裂の三枚目キャラっていうのはズルいですよね。
ヴィジュアル系バンドのボーカルはイケメンでないといけない、という法則を逆手にとって、キモさを前面に押し出したキャラ設定がうまくハマりましたね。
インパクトとしては、曲単体ではやや薄いところもありますが、ライブで見たら忘れないほどのバンドです。
ところで、新興宗教楽団の冠をとってしまった今、団長は何の団長なんでしょうか？