- 1メトロノーム/メトロノーム
- ¥3,000
- Amazon.co.jp
1.-5dB
2.誤sick
3.セルフコントロール
4.Hi-Fi
5.暁
6.残念僕の人生。
7.僕の為に僕を辞める僕
8.プチ天変地異
9.未来の見える丘
10.プラネット
11.三つ数えろ
12.明日になったら
13.ΦD-SANSKRIT
14.人間万歳
15.Thank you for my everyday
ピコピコ系というジャンルを確立し、ヴィジュアル界にて一般化させたメトロノーム。
テクノをベースにした楽曲に、パンクを取り入れたバンドサウンドを重ねる手法は、革新的で個性的でした。
本作は、そんな彼らの1stフルアルバム。
メンバー登場のSEから始まる全15曲の大ボリューム。
それまでのシングルや代表曲も網羅的に収録されていて、初期のベストアルバムと言っても遜色ない内容かと思います。
ピコピコ系の名前が示すとおり、電子音がピコピコと音楽を装飾していて、当時としてはかなり新鮮でした。
ただし、テクノ色が強いとはいえ、メンバーが現在在籍しているユニットFLOPPYやADAPTER。のような、本格的なテクノにはまだ移行していないな、という過渡期的なイメージですかね。
バンドサウンドに、テクノの要素を多めに取り入れたといったところ。
シャラクさんの声にも、今ほどのエフェクトはかけておらず、そういう意味では癖が強く出てしまっているのは否めず。
テクノ畑の人が聴くには、中途半端な印象を持たれてしまうのはいたしかたないのかもしれません。
しかしながら、個人的な見解ではありますが、既存のジャンルの型にはまった保守的な音楽を崩していくことこそ、ヴィジュアル系という音楽の醍醐味であるはず。
邪道だからこそ、新しいものであるという見方もできるのではないでしょうか。
その邪道さ、B級さこそが、メトロノームの良さだったと思うのです。
ラフなのだけれど、深いようにも見える歌詞も独特のセンス。
ライブでの色物っぷりも面白かった。
近未来的な音楽性も相まって、異質な世界に紛れてしまった錯覚さえしてしまいます。
特にお気に入りの曲は、ベタですが「プチ天変地異」。
シニカルな歌詞と、古典を思い切ってオマージュしたようなシンセバリバリでゴージャス感のある演奏で、一度聴いたら耳に残って離れない楽曲です。
ポジティブな曲に、ネガティブな歌詞を散りばめるのが、メトロノーム流でしたね。
いわゆるヴィジュアル系の型にははまらないバンドではあるけれど、ヴィジュアル通を語るには避けて通れないバンド。
活動休止のタイミングでベストアルバムも2枚リリースされていますので、導入としてはそちらを聴いてみてもいいかもしれません。
シャラクさんが、青さんと組むなんて噂もありますし、そちらも楽しみですね。