PROGRESS / defspiral | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

PROGRESS/defspiral

 

1. SALVAGE

2. READY OR NOT

3. トワイライト

4. DIVE INTO THE MIRROR

5. PARADISE

6. RESISTANCE

7. REVOLVER

8. 月とヴィーナス

9. NIGHTMARE

10. MELODY

11. PROGRESS

 

2011年にリリースされたdefspiralの1stアルバム。

 

TRANSTIC NERVE、およびthe Underneathとしての活動を経て、2010年に結成。

Gt.TALさんが欠ける形にはなりましたが、事実上、そのスタイルを継承したバンドと言っても良いのでしょう。

「DIVE INTO THE MIRROR」が、「仮面ライダー龍騎」の北米向けローカライズ作品となる「KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT」の日本版主題歌に抜擢され、avexからデビュー。

その後もメンバーチェンジはあったものの継続的な活動を行っており、現在ではTRANSTIC NERVEでの活動期間を抜き、13年目に突入しています。

 

源流的なビートロックにデジタルサウンドを融合させたハイブリッド感を武器にしていたTRANSTIC NERVE、その後期から打ち出してきたヘヴィネス重視のハードロック路線を踏襲したthe Underneathと、その音楽性を進化させながら突き進んできた彼らですが、defspiralとしてまず打ち出したのは、メタリックな音像を構築しながらもキャッチーさを追求するスタイル。

ときにプログレッシブに、ときにダンサブルに、とその視野の広さを取り入れながらも、コアな音楽ファン向けに深く潜っていた彼らが、もっと開けたフィールドへの浮上を図っていたのですよ。

そして、それがセルアウトとして揶揄されるような安パイ的な方向ではなく、彼らのこだわりが詰まっているのは十分に見て取れるものだったのが好印象だったな、と。

テクニカルで硬質なサウンドは純粋に格好良く、それでいて入門書として聴きやすい、まさに名詞代わりの1枚になっていたのでは。

 

序盤は、ストレートなロックチューンをぶつけてきて、勢いを加速。

徐々に遊び心を入れていき、妖艶で神秘的な歌モノ「月とヴィーナス」、バイオリンを挿入してシアトリカルに仕上げた「NIGHTMARE」の並びは、彼らにとって新しい一面でもありました。

最終盤は、表題曲である「PROGRESS」で壮大に。

全員がコーラスに参加した広がりを見せる楽曲で、なるほど、ここに辿り着くためのアルバムだったのかと納得。

新人でもあり、ベテランでもあり、という立ち位置で繰り出されたからこその、衝動性と経験値の高さが噛み合った1枚です。