BIOGRAPH/MIRAGE
1. Wheel of Fortune
2. UNtruth
3. ...Air
4. Bleach
5. MOON-LIGHT-DANCE
6. Etenity
7. Imitation
8. BURIAL
9. I.D
10. 百花繚乱
11. Cloudy
1997年に結成されたMIRAGEにとって、25周年となった2022年。
キャリア初となるフルアルバムがリリースされました。
2018年に復活を遂げた際のメンバー、Vo.AKIRA、Gt.YAYOI、Ba.KISAKIに、覇叉羅やJILSで活躍したGt.舜、ex-【zɔ́ːdi̽æ̀k】のDr.YOMIを加えて正式始動となった第三期MIRAGE。
実質的に20年以上のブランクがあるだけに、まさかオリジナルアルバムが発表されるとは。
Dr.AYAMEさんの追悼曲として発表されていた「BURIAL」や、ライブ音源しか発表されていなかった「I.D」を含めた全10曲に、TYPE-Bは、ボーナストラックに「Cloudy」を追加収録。
もっと再録曲が多いものかと勝手に思っていたのですが、新曲の割合が大きかったのは嬉しい誤算でした。
とにかく、この王道感ですよ。
マイナーコードで疾走する、コテコテ系メロディアスチューンのお手本といった楽曲が畳み掛けられ、高揚感は煽られっぱなし。
新曲についても当時の文脈をなぞりつつ、きちんと現代のサウンドにアップデート。
金太郎飴のように、どこから切り取ってもツボ!という楽曲が展開されている一方で、一辺倒のマンネリにならないようバランスには配慮されていて、これは何回でも聴けてしまうぞ、と。
聴きどころは、SEを噛ませつつ「UNtruth」から「...Air」に繋げるスタートダッシュと、暴れ曲としてライブで定着している「I.D」から「百花繚乱」へ繋ぐラストの展開でしょうか。
代表曲をシングル曲の位置づけで挿入して、締めるところは締める100点満点の構成。
そして、ボーナストラック扱いの「Cloudy」も、また良い仕事をしているのです。
アンコール的な位置づけに持ってくる白系ナンバーで、広い会場で演奏される姿が目に浮かぶ、無限の広がりがたまらない。
メジャーデビューシングルになってもおかしくなさそうな佳曲なのですよね。
更には、初代Vo.TOMOさんが参加するというサプライズまで持ってくる大盤振る舞い。
「MOON-LIGHT-DANCE」と「Etenity」にて、変わらぬ歌声を披露しています。
そもそもオリジナルアルバムにおいて、ど真ん中の5曲目、6曲目に異なるヴォーカリストが歌う楽曲を持ってくるというのは、作品クオリティ的にどうなのだろう、という疑問がなかったと言えば嘘になるのですが、実際に耳にしてみれば、完全に杞憂。
思いのほか、流れが分断される要因にはなっておらず、聴いていて違和感は少ない。
むしろ、中だるみ防止でアクセントを入れたいタイミング、これ以上ないカンフル剤になっていました。
現在進行形としてのMIRAGEの集大成。
この作品の評価が高まったとしても、決して想い出補正ではないぞ、と断言できる1枚です。
<過去のMIRAGEに関するレビュー>