BURIAL / MIRAGE | 安眠妨害水族館

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BURIAL/MIRAGE

 

1. Clarity

2. ...Air

3. 百花繚乱

4. BURIAL

20. (摩天楼の囁き...)

 

3月末に開催された"MIRAGE&Matina 20TH ANNIVERSARY YEAR「BURIAL OF EPISODE -TOKYO-」"。

そこで華麗なる復活を遂げたMIRAGEの会場限定ミニアルバムです。

 

SEとボーナストラックを含めて5曲入り。

ミニアルバムとしてはボリュームが少ないのですが、価格は2,500円とやや割高感あり。

ただし、Matinaの周年イベントでのリリースとなれば、そうだそうだ、これが当時の相場観だ、と妙に納得してしまう。

実質的にはシングルなのだけれど、SEや既存曲で水増しすることでアルバム価格で押し切って。

CDが売れていた90年代後半だからこその価格設定なのですよね。

 

もっとも、19年ぶりとなる新曲の発表なのだから、時代背景を無視してもそのぐらいの価値はありそうな本作。

1日だけの発売だったものの、見事に即日完売となったようです。

メンバーとして関わっているのは、Vo.AKIRA、Gt.YAYOI、Ba.KISAKIの3名。

タイトルである"埋葬"という言葉には、逝去されたDr.AYAMEさんへの想いも込められていたりするのでしょうか。

 

そんなわけで、「Clarity」はSEなのですが、5分ほどの長尺。

時代に即して、当時によく見られた30秒程度の導入SEではなく、しっかりと作り込んだ感のあるものとなっています。

続く「...Air」は、SEからの繋ぎを意識したのか、イントロのサビの前にギミックが付加されている。

正直、やや蛇足感はあるも、なんだかんだで、やはり第二期MIRAGEの代表曲。

空白の期間での個々の成長を示すにはもってこいのナンバーであり、その役割は果たしていると言えるでしょう。

特に、AKIRAさんの歌唱力の向上には目覚しいものがあり、名曲が息を吹き返しました。

 

「百花繚乱」は、第一期での代表曲。

AKIRAさんをボーカルに迎えてのスタジオ音源は初となるので、外すことがない安心感と、ようやく聴けたという新鮮味。

その両方が詰まっています。

生き急ぐようにスリリングなスピード感に、勢いで誤魔化すことなくメロディアスに色付けされたボーカルライン。

これこそ、90年代コテコテシーンの王道ですよ。

 

そして、新曲となる表題曲「BURIAL」。

9分近くあるバラードで、シンフォニックなイントロ、オーケストラ風に展開されるAメロ、クリーントーンのギターが哀愁を誘う間奏など、サビに辿り着くまでの道のりもいちいちドラマティックに構成されています。

徐々に盛り上がって、最後は美しく壮大に。

どうせだったら、ベタな疾走ナンバーを新曲として聴きたかった気がしないでもないのだが、時間の経過も加味すれば、これもまたお約束的な雰囲気のある"らしい"楽曲だったのでは。

 

なお、20トラック目にはボーナストラックが収録。

ジャケット等に詳細なタイトルの記載はありませんが、「摩天楼の囁き...」ですな。

激しい演奏に、語りのような、シャウトのような、シンプルなフレーズが連呼されるショートチューン。

これが1曲入りデモテープとして1,000円で売られていたのだから、まさにバブルである。

過去のベストアルバムにも収録されていなかったうえ、こちらもAKIRAさんのボーカルバージョンとしては初。

曲の内容はともかくとして、ボーナストラックとして追加される分には嬉しい選曲だったかな。

 

割高でも、当時のファンであれば手を出さずにはいられない1枚。

悔しいけれど、その辺のファン心理をよくわかったうえで商売に繋げてこそ、KISAKIさんという気もする。

色々な意味で、Matina魂を改めて感じた作品となりました。

 

<過去のMIRAGEに関するレビュー>
...Air

Arcadia