絶彩執 / 朱 | 安眠妨害水族館

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絶彩執/朱

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1. 人間失格

2. 曲ガル睡蓮`駆ケル[11ul]」

3. テオナナカトル

4. 腐れ恋

5. 桜歌乱舞

6. 大義

7. 伍

8. 妙楽ノイド -class C-

9. 舌禍粧

10. 『 』曰わく、

 

UNDER CODE PRODUCTIONに所属していた朱のフルアルバム。

朱と書いて、"すざく"と読みます。

 

アートワークや楽曲のテーマなど、コンセプト的には和要素が強い彼ら。

しかしながら、ハードな暴れ曲が多く含まれる構成に仕上げているのが特徴でしょうか。

現代の和風バンドと言えば、優美さや情緒を押し出す所謂"和メロ"を武器にするバンドが多い印象。

手弱女ぶりよりも、益荒男ぶりを強調した点では、時代が流れてもなお、差異化が出来ているということなのかもしれません。

 

リリースされたのは、2012年。

シーン全体で和風バンドのフォーマットが定まりきっていなかったこともあり、アプローチの違いを聴き比べるのも面白い。

この手のバンドは好まないイメージがあるダミ声での歌唱やデジタルサウンド、ボイスエフェクトなど、タブーに踏み込んだような演出が多くて、結果論ではありますが、後から聴いて面白い作品になっているのでは。

初回限定盤に付属するDVDにMVが収録されたリードトラック、「腐れ恋」が象徴的。

紛うことなき和風リフに、デジタル加工した歌声と、シャウトをごちゃまぜに取り込んで、実にカオティックなナンバーとして、存在感を放っています。

 

古き良きオラオラ系のノリを強く残したまま、和風コンセプトも取り入れる。

演奏にムラがあり、まとまりに欠けている部分はありますが、時代が違えば、もう少し伸びる余地があった気もしますね。

活動していた当時のシーンにはあまりフィットせず、短命で終わってしまったのは残念です。