集団無差別殺人計画/Halsyon
1. 集団無差別殺人計画
2. [si:piз] ~セピア~
3. カ・ク・セ・イ
2002年に限定500枚でリリースされたHalsyonのシングル。
一言で済ませるなら、典型的なコテコテ系のジャリバンですね。
激しいサウンドに、ダークな世界観。
それだけならともかく、スタジオ練習のブートレグのような音質に、大味な演奏まで、市販のカセットテープでデモテープを制作している規模のバンド感に溢れていて、ある種、5年前であれば埋もれていた作品だったと言えるでしょう。
「集団無差別殺人計画」は、抑揚のないメロディとシャウトで構成される飛び曲。
音質の悪さにより、不必要な聞き苦しさが出てしまっており、特にドラムがぼやっとしていてこもり気味。
イントロだけスパニッシュな雰囲気があるのですが、ハードなサウンドとの融合というレベルにまで持っていけていないのが残念ですね。
「[si:piз] ~セピア~」は疾走メロディアスチューン、「カ・ク・セ・イ」はメタリックに攻めるハードなナンバーと、続く楽曲もベタなコテコテ系。
なんとも粗削り、やや二番煎じ。
それでも、やりたいことをやってしまう、ダークバンドのお手本のような構成です。
スキルが足りないことを自覚している中で、どうやって世界観を突き詰めるか、という試行錯誤には、懐かしさを煽るリスナーもいるのでは。
ツインギターでのハモりは、明らかにフレーズが足りてないですし、リズムもバラバラになってしまう部分がちらほら。
誰にでも薦められるバンドではありませんが、閾値を超えてネジがぶっ飛んでしまったリスナーにとっては、1周回って味わい深い領域。
シリアルナンバー入りというギミックも、実に"わかって"いました。