JONAH/Malice invitation
1. JONAH
2. LONE
3. AFTER THE FALL
現在は、無期限の活動休止期間中のMalice invitation。
本作は、2015年にリリースされた2ndシングルです。
表題曲の「JONAH」は、ピアノとヘヴィサウンドを融合させたロックチューン。
ピアノロックとして洗練されるまでは至らず、上モノの範疇に留まってしまった感はあるものの、ラウドな楽曲の隙間に、清涼感のあるピアノが差し込まれることで、ドラマティックさが強調されています。
Vo.RYTさんの掠れ声で叫ぶようなヴォーカリゼーションも特徴的。
まだ垢抜けていない感はあるものの、エモーショナルな方向に伸ばしていければ、といったところでした。
「LONE」は、アプローチとしては表題曲を踏襲していますが、シャウトの存在感が強まった形。
クリーントーンでのサビと、シャウトでのサビが両方用意しているような構成に工夫が見られ、ミディアム調の楽曲に対して攻撃性を感じさせるセンスが、セオリーを無視していて面白いな、と。
3曲目の「AFTER THE FALL」では、作曲者をバンド外から連れてきて、ラウド一辺倒ではなく、バリバリのデジタルサウンドに新境地を見出そうとするチャレンジも。
あえて軽いノリを出すなどの差別化も図ろうとしていたイメージですね。
ラフな歌い方が案外似合っていて、ここまで振り切ってしまったほうが馴染む気もしました。
1stシングル「EVIL」からの成長が伺えるのは事実。
勢いだけでなく、同期の組み込みかたも整理されていて、音源としてのまとまりが見て取れます。
活動が止まってしまったのは残念ですが、強みを伸ばし、弱みを割り切る、可能性を見出した1枚。