東京アジテーション4/gaizao
1. 令和2年4月24日、19時アルタ前
2. Pā Pā Pā -実録!世界の中心でlove for you-
ヴォーカリスト・江戸川長一郎によるプロジェクト、gaizaoによるデジタルシングル。
江戸川さんの誕生日である10月29日に、ゲリラリリース。
"東京アジテーション"シリーズの第4弾となります。
配信限定音源としては自身初となりますが、タイトルのナンバリングは前作より継続。
本作で収録されるのは2曲のみ、ということもあってか、バラエティ性を見せるよりも、ニューウェーブを下地にした独自の音楽性を突き詰める意図が強く出ているでしょうか。
「令和2年4月24日、19時アルタ前」は、疾走感のあるメロディアスなナンバー。
ケバケバしくギラついたデジタルサウンドが歌謡曲調のメロディに絡みつき、エレクトロなのにレトロフューチャー感が押し出されているのが面白いな、と。
"令和"を冠しているにも関わらず、懐かしさすら漂わせています。
兎にも角にもキラーチューン。
このテンポ感、このメロディにゾクゾクしないV系リスナーはいないであろう、異質の中の王道といったところでたまらないですね。
もう1曲収録された「Pā Pā Pā -実録!世界の中心でlove for you-」は、ダンサブルなテクノポップ。
ライブを連想させる煽りの台詞を冒頭や間奏に取り込んだり、ベタなディスコサウンドをオマージュしたりと、激しさを象徴するギミックに印象が引き摺られるのですが、メインとしては、ミディアム調の広がりのある楽曲。
このギャップが痛快で、暴れ曲だと思っていると朗らかなサビに驚き、雰囲気モノとして聴くと、唐突に訪れるカオスの渦に放り込まれるのですよ。
声色を使い分けたり、加工したりと、演出もあえて過剰にしている節があり、意識して癖を強めているのも奏功。
インパクト重視のギミックをまぶすことで、聴き込んでからはじめて気が付く"発見"を増やす仕掛けになっていたのでは。
デジタル配信が一般化して、ゲリラ的なリリース戦略もとりやすくなった昨今ですが、誕生日にぶつけてくるとは粋なはからい。
垢抜けた感も増して、いよいよ深みにハマるタイミングと言えるかもしれません。
<過去のgaizaoに関するレビュー>