コレクターズ1992デモ / 幻覚アレルギー | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

コレクターズ1992デモ/幻覚アレルギー

 

1. SPEEDアレルギー

2. チョコレート中毒

3. fuck off

4. CHAMELEON BLUES POP

5. MORE DEEP

6. MERRY-GO-ROUND

7. DEBUT

 

fuckoff recordsの第一弾作品として発表された、幻覚アレルギーのEP。

 

ex-かまいたちのVo.SCEANAと、Ba.梶井"KAZZY"沙介により1991年に結成された幻覚アレルギー。

1997年に活動を停止していますが、2020年になって、SCEANAさんによる音楽プロジェクト、"幻覚"が始動。

KAZZYさんも監修として加わっており、幻覚アレルギーとしての復活とはならずも、当時の音楽を再定義する準備ができたといったところでしょうか。

本作は、結成当初のデモ音源をまとめた作品となるのかな。

2002年に通販限定でリリースされた「1992DEMO」に収録曲を追加したバージョンアップ版と言えるのかもしれません。

 

レコーディング時期を踏まえれば当たり前なのですが、収録内容は、1stアルバム「Mouth to Mouth」に収録された楽曲が中心。

とはいえ、既に廃盤となっている作品でもあり入手は困難なわけで、楽曲を蘇らせるという点では、意味のあるリリースだったのでは。

「SPEEDアレルギー」や「チョコレート中毒」といった代表曲で勢いを作りつつ、一気に駆け抜けるように突っ込んでいきます。

衝動性に溢れたサウンドと、メロディを歌うというよりも、吐き捨てるように叫び続けるヴォーカルスタイル。

パンキッシュに疾走していく、あるいはヘヴィネスを重視してハードコアに展開していく彼らの武器は、この段階で既に出来上がっていました。

 

インパクトがあるのは、僅か13秒という超短尺のパンクチューン「fuck off」と、ハードに展開される「DEBUT」。

特に後者は、「1992DEMO」に収録されたのみで、未完成とも言える楽曲。

1stアルバムの収録曲に混じって、2021年、この楽曲を耳にすることができるとは思いがけない収穫ですよ。

ザラついた音質は当時なりではありますが、そのノイジーなサウンドも、時代感を演出する味わい深さ。

懐かしさを通り越して、新鮮な刺激を得ることもできたりして。

 

ジャケットや歌詞カードどころか、バンド名や作品タイトルまで明示されない、"Fuck off!!!!!!"と記載されただけの簡素な仕様ですが、早期購入者には、特典として象徴的な唇マークのステッカーが付属。
一発で幻覚アレルギーだとわかってしまうアートワークに、テンションが振り切れそうな1枚です。