虹彩異色症/アスラン
1. 溺れたレプリカ
2. 紅い頬
即ち性。の活動休止以降、ソロ活動を開始したギタリスト、アスランさんによる3rdシングル。
2021年6月にライブ会場で先行販売されたのを皮切りに、通販や配信での取扱を開始。
数量限定版は、8月末までに応募することを条件に、未発表曲が配布されるようです。
音楽に触れる機会を増やすためのアプローチをしつつ、CDにまで手を伸ばすコアなファンには+αを。
痒い所に手が届いて、コストパフォーマンスも良いのではないでしょうか。
「溺れたレプリカ」は、スピード感のあるレトロック。
追い立てるかのように性急なリズムでツタツタと展開。
攻撃性を示すと、哀愁を帯びたギターのリフが重なって、大きなインパクトをもたらします。
歌メロとしては、コード進行をなぞるようにダークさを強調し、"古き良き"を彷彿とさせて。
面白いのは、ギターのフレーズのレトロ感に引き摺られて、コテコテど真ん中のメロディが、歌謡曲ベースに聴こえてくることですね。
バンカラな哀愁ロックは数多くあれ、なかなかニッチなところを突いてきたと言えるでしょう。
続く「紅い頬」についても、統一感のある方向性を見せていました。
歌謡曲風のレトロ要素は更に強まった印象ですが、相応のスピード感は維持。
激しさを忘れない構成がたまりません。
ハスキーな歌声は、鋭くも渋みのある楽曲にハマっており、ヴォーカルは本職ではないにもかかわらず、味わい深さとして昇華。
表現力として未知数な部分は残りますが、やりたい音楽性は明白なのかと。
手作り感は強めですが、その内容によって、刺さる人には刺さりそうな1枚です。