Synthesis Songs / Phantasmagoria | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

Synthesis Songs/Phantasmagoria

 

1. 神創曲~Variant Jihad~

2. 狂想曲~Cruel crucible~

3. 幻想曲~Eternal Silence~

4. Glitter

 

2006年にPhantasmagoriaがリリースしたミニアルバム。

 

1月から3月にかけて、3ヶ月連続でのシングルリリースを敢行。

瞬く間に完売となったことから、未発表新曲「Glitter」を追加したコンプリート盤として発表されたのが本作です。

DVDが付属することで単価が上がっていたこともあり、ややコストパフォーマンスが悪かったシングル三部作。

4曲で2,000円という価格設定も、決して安いとは言えないのだけれど、それらを網羅したうえ新曲まで付いてくるならと、受け入れやすい心理状態を作っているのが、UNDER CODE PRODUCTIONの戦略の上手さと言えるでしょう。

 

神々しさを表現するゴージャスなシンセに、Vo.戮さんによる硬質なシャウト。

シンフォニックなサウンドで耽美性を示すとともに、コテコテ系としての矜持も持ち合わせている「神創曲~Variant Jihad~」は、まさに彼らのキャラクター性を音に乗せたといったところ。

「狂想曲~Cruel crucible~」では、同様に様式美を貫く中で、キャッチーなメロディも追及。

早口で畳みかけるサビのインパクトは抜群です。

三部作の最後を飾った「幻想曲~Eternal Silence~」は、一転してのパワーバラード。

6分45秒と長尺ですが、メリハリのついたアンサンブルにより、ドラマティックな展開を見せていました。

 

それぞれがシングル曲的なオーラを放つ一方で、まとめて聴いてもバランスが取れている。

リアルタイムで聴いているときには気付かなかった発見を、コンプリート盤で再認識する、という効果もありそうですね。

なお、追加収録された「Glitter」は、サイバーなイントロからダンサブルに展開されていくギラギラしたナンバー。

三部作とタイプは異なった楽曲で、バラエティ性を広げる役割が期待されていたのかな。

「幻想曲~Eternal Silence~」でクロージングとなった感も強かったため、作品クオリティ的には蛇足だったのかもしれませんが、曲単体では相応に滾ってくる楽曲。

ボーナストラックとして楽しみつつ、三部作を聴き込んでいくのが、本作の正しい味わい方と言えるのかもしれません。


<過去のPhantasmagoriaに関するレビュー>

神歌

Vanish…
Moonlight Revival