神歌 / Phantasmagoria | 安眠妨害水族館

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神歌/Phantasmagoria

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1. 神歌
2. 神歌(instrumental)

2007年にドロップされたPhantasmagoriaのシングル。
収録曲である「神歌」のMVが収録されたDVDが付属したトールサイズ仕様となります。

2005年に発売されたオムニバスアルバム「四次元友好条約」に入っているものがオリジナルバージョンとなるのかな。
こちらは会場限定での販売であったため、この段階では必ずしも大ヒットというイメージはなかった「神歌」ですが、その衝撃的なパフォーマンスが口コミで広まり、瞬く間に代表曲にまで成長。
流通されていないはずなのにカラオケにエントリーされるなど、当時のシーンで知らない人はいないほど、時代を作ったナンバーとなりました。

本作は、メジャーデビューシングルとして満を持してリレコーディングされたもの。
しかしながら、Gt.伊織さん、Dr.纏さんの脱退により、デビューを前に解散が決定。
結果的に、彼らのラストシングルとしてリリースされます。
ご承知の通り、解散後にも続々音源がリリースされており、まったくラストシングルではなくなってしまうのですが、それもKISAKIさんのバンドらしいということで。

さて、やはり「神歌」、再録されてもインパクトは大きかった。
仰々しく荘厳なシンセがパワーアップしており、より装飾過剰なサウンドに。
この大袈裟な感じが、この楽曲の持つ世界観にマッチしていて、純粋に進化しているなと感じますよ。

サビのフレーズでフェードインしてくる導入部分はカットされ、キメが多用されたバンド演奏からスタートする構成に。
ギターのフレーズにも主張が増えたような。
ベースだけが前に出てくるサウンドメイクから、だいぶバランスが良くなりましたね。

そのうえで、"降臨…3秒前…"なんて少しトンガりすぎた台詞を大真面目にキメてしまうVo.戮さんのセンス。
正直、ネタっぽさもあるのだけれど、それこそが「神歌」を、どこにでもある煽り曲から、彼らの代名詞にまで昇華させることができた理由でもあるのだ。

この曲については、ライブでの妙な一体感があって完成される節もあり、当時を知らないリスナーが聴いても、もしかしたらピンと来ないのかもしれません。
一方で、ここまで当時のライブハウスの匂いを思い起こさせてくれる楽曲というのも珍しい。
DVDが付くとはいえ、1曲で2,000円+αという価格は高すぎる気もしないでもないが、中古で値崩れしている今であれば、改めて買い求めるのもアリなのでは。

<過去のPhantasmagoriaに関するレビュー>
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