SPLIT EP EARLY 2015/aki + TAG
1. SIGNAL -Desert Town- *Rise-Up Re-Mix / aki
2. TONIGHT *Wake-Up Re-Mix / aki
3. Cruelty / TAG
4. B.a.G / TAG
5. SIGNAL -Desert Town- *Rise-Up Re-Mix (Instrumental) / aki
6. TONIGHT * Wake-Up Re-Mix (Instrumental) / aki
7. Cruelty (Instrumental) / TAG
8. B.a.G (Instrumental) / TAG
ex-LaputaのVo.akiさんと、TAGによるスプリットCD。
各2曲ずつと、そのインストヴァージョンが収録されています。
2015年当時、ソロ活動10周年に際して横山和俊さんからの楽曲提供を受けていたakiさん。
HOLLOWGRAMやKEEL等で活躍するVo.ryoさんと、横山さんのユニットであるTAGとのコラボレーションは、ある種、必然だったと言えるのでしょう。
サウンドプロデュースは横山さんが担当。
アートワークはryoさん、パッケージデザインはakiさんが手掛ける等、それぞれがマルチな才能を発揮しており、総合的あるいは多角的に彼らの世界観に触れることができる作品に仕上がっていました。
「SIGNAL -Desert Town-」は、横山さんが作曲したナンバーを、akiさんが本作用にリミックスして収録。
1曲目から、コラボレーションの面白味を象徴する楽曲が飛び出してきた形ですね。
エレクトロやインダストリアルの色を強めて、歌声もかっちり加工。
ただし、サビになるとakiさんらしい艶やかなクリーントーンが解禁され、神々しさすら感じさせる。
メリハリが効いたアレンジがたまりません。
「TONIGHT」も、リミックスヴァージョンにて収録。
新曲がないのは残念な気もしますが、オリジナルも聴いてみたいと思わせる旨味を引き出すアレンジはさすが。
パーティーチューンのような軽い雰囲気も取り込みつつ、ダークなデジタルサウンドによりディープな様相も見せていきます。
ハイトーンに伸ばしていく歌う癖に、ずっと変わらないakiさん節を感じずにはいられない。
聴きどころはたくさんありますが、進化と普遍性を両立させたヴォーカリストとしての凄みこそ、もっとも印象的に映りました。
TAGからは、「Cruelty」と「B.a.G」の2曲。
こちらは書き下ろしとなるのでしょうか。
まず、「Cruelty」は胎内にいるような心地よさと浮遊感を帯びたエレクトロチューン。
優しさを感じさせるサウンドとは裏腹、「Cruelty」というタイトルが意味深ですな。
深読みや考察ができそうな歌詞も、色々と想像を膨らませてくれます。
「B.a.G」は一転して、激しさを纏ったインダストリアルナンバー。
サビ以外ではメロディらしいメロディは持たず、囁くような、吐き捨てるような、内に秘めた攻撃性とも取れる表現となっています。
神々しさを纏ったサビが、akiさんの「SIGNAL -Desert Town-」へのループ的な感覚を与えていて、作品性を高めているのもポイント。
単に横山さんの楽曲の癖なのかもしれませんが、そこに意味がある配置だったと考えたほうが面白いのではないかと。
なお、akiさんとTAGのスプリット作品は、「SPLIT EP LATE 2015」として続編もリリース。
いずれも既に完売済み、入手困難となっていますが、好きな人にはこれ以上ない組み合わせ。
どっぷり沈み込むエレクトロサウンドの渦に巻き込まれる1枚です。