キミイロ / キミノウィルス | 安眠妨害水族館

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キミイロ/キミノウィルス

 

1. キミイロ

 

 

ヴィジュアル系メンズアイドルグループ、キミノウィルスによるデジタルシングル。

 

混ざり合いそうで、混ざり合っていなかったヴィジュアル系とメンズアイドルの境界線。

ついに、それを踏み越えてきたのが、キミノウィルスでしょう。

配信された「キミイロ」は、ドレミ・ファのベルさんが三栗屋こころ名義で作曲を担当。

ベースは、ACMEのRIKITOさんが担当しています。

 

音楽性は、キラキラしたシンセと和メロが重なり合う疾走チューン。

春めく季節にマッチする、キャッチーな中に切なさを感じる楽曲に仕上がっていました。

ヴィジュアル系バンドがアイドルに寄せるでも、アイドルがヴィジュアル系バンドに寄せるでもなく、素直にヴィジュアル系バンドの楽曲をアイドルグループのフォーマットに当てはめたといったところ。

メンバーが役割分担しながら歌い分け、サビではユニゾン、というヴォーカルグループらしいギミックを除けば、特に抵抗なく聴けるのではないかと。

V系的見地からの"曲の良さ"を体現しているので、なかなか侮れないのですよ。

 

カテゴリーや文化に対する解釈の違いで議論になりそうな活動形態。

だからこそ、閉塞感に風穴を開ける存在が出てくるとしたら、案外彼らのような異分子なのかもしれないですね。

彼らが今後、V系シーンに接近するのか、離れていくのかはわかりませんが、もしジャンルや世代を跨いでファンの入れ替えが発生するような影響力を示すことができれば、ゼロ年代の初頭にお洒落系文化が台頭したときのようなブレイクスルーを果たす可能性だって見えてくる。

それを望むかどうかは別として、変革派の最先端となってシーンを塗り替えてしまうのか、境界線に屈してメンズアイドルの活動の幅に留まってしまうのかは注目していきたいものです。