流れる血は君のために/流れる血は君のために
1. パノラマ地獄 ~君死ニタマフ事ナカレ~
2. 末期の中二病 ~27歳で死ねなかったロックンロールスターへ~
Vo.喰榴、Gt.藤によるユニット、流れる血は君のためにが2019年にリリースした1stデジタルシングル。
舞沙、霞華、春雅、カスガ、永瀬太陽、弖虎、ジキル…
バンドを組む度に名義や表記を変更したため、公式なものだけで8つの通り名があった喰榴さんが、3月13日に急逝したとの訃報。
カミカゼ少年團やエルムの印象が強い彼ですが、この流れる血は君のためにが、最期のユニットとなってしまいました。
SNSでも積極的に交流するタイプで、つい最近までタイムラインで見かけていただけに、ショックが大きいというのが本音です。
収録された2曲は、振り返って聴いてみると、サブタイトルがなんとも意味深になってしまいましたね…
「パノラマ地獄 ~君死ニタマフ事ナカレ~ 」は、和音階をベースに構築したメロディアスチューン。
和楽器の音色をふんだんに盛り込んで、美しい和メロを紡いでいるのだけれど、ミスマッチとも言える激しいサウンドと、サイバーな同期ががっつり絡んできて、斬新な聴き心地となっています。
実験的な作風ではあるも、シングル曲としての役割もしっかり果たしており、可能性を感じた1曲だったのでは。
そして、もう1曲は「末期の中二病 ~27歳で死ねなかったロックンロールスターへ~」。
ハードな要素を前面に押し出して、攻撃的に攻めたと思いきや、サビでは爽やかに疾走。
パンキッシュな様相を見せていきます。
近年のヴィジュアルシーンにおいてはスタンダードなアプローチではあるのですが、これぞ中学二年生でバンドをはじめて組んだ頃に目指すような音楽性、という狙いもあったりして。
わかりやすさ、とっつきやすさに、彼らのキャリアに裏付けされたサウンドが呼応。
だからこそ、代表曲になり得たのでしょう。
流れる血は君のためにでの音源制作や、エルムの復活などの話も出ていた最中とのことで、余計に悔やまれる。
もっと、色々な楽曲を聴かせてほしかったな。