VEIN/Rides In ReVellion
1. SURRENDER
2. 衝動DIRTY
3. SiNGULARITY
4. MAD SMILE
5. 道-TAO-
6. 何億光年
"HARMONIZED TIME PARADOX"をコンセプトに活動中であるRides In ReVellionのミニアルバム。
本作は、2018年にリリースされたコンセプト作品。
「ARTERY」との2枚同時での発表となり、「ARTERY」が"王道"、本作が"邪道"の位置づけになっているのだとか。
ジャケットの対比により、「ARTERY」がポップで、「VEIN」がダークという印象を与えているのだけれど、必ずしもそんなことはないですね。
キャッチーな楽曲もあれば、優しさを感じるバラードも収録されていて、予想以上にバラエティに富んでいました。
特に意外性があったのは「SiNGULARITY」。
なんだかんだで王道的なハードな音像でスタートしたじゃないか、と思っていると、サビでは振り切ったアメリカンロックに展開。
これは確かに邪道なのだが、隙間を突いた感もあって、案外、突破口になるのでは。
「道-TAO-」のような正統派のバラードも、彼らにとっては珍しいということなのかな。
少し背伸びして、深みのある楽曲に挑戦したといったところではあるのだけれど、その背伸びした感じが絶妙に沁みるポイントになっている。
ラストに持って来た「何億光年」のストレートでポップなメロディにも、綺麗に繋がっており、この路線は新たな王道になっていくのかもしれません。
90年代のメロディと、現代的なサウンドを融合させる、という彼らのバンドコンセプトから外れた楽曲たち。
意図的に制約や縛りをなくした影響か、どの楽曲も、とても瑞々しく、伸び伸びと聴こえてくるのですよ。
実験要素が強く、寄せ集め感も否めないとはいえ、彼らにきっかけを与える1枚になったのではないかと。
2枚合わせて聴いておきたい作品です。
<過去のRides In ReVellionに関するレビュー>