Eclipse/Satsuki
1. BERSERKER
2. ECLIPSE
3. CRYING
4. ARTEMIS
5. SELENE
6. LILY-月影に魅せられて-
7. SQUALL
8. BRAVE
9. DIANA
ex-RENTRER EN SOIのVo.Satsukiさんによる2016年にリリースされたフルアルバム。
シングル「APOCALYPSE」との同時発表で、ジャケットは2枚並べることでひとつのアートワークになる仕様。
ヨーロッパを拠点に活動していた彼の会場限定作品ということで、国内では入手困難な1枚でした。
CDにこだわらなければ、現在ではデジタルミュージックでの購入が可能となっています。
スタートは、ゴリゴリのラウドサウンドで展開される「BERSERKER」から。
RENTRER EN SOI時代にもハードな路線に傾向した時期もありましたが、ここまで耽美的なスタイルを脱ぎ捨てた楽曲は、やはり意外性が高いといったところで、海外に渡ったことでの音楽性の変化を予感させます。
ただし、それ以降はメロディアスな楽曲も多く、デスヴォイスを多用したハードチューン「LILY-月影に魅せられて-」においても、サビでは繊細なメロディを歌い上げていますね。
全体的にヘヴィネスを意識する割合は高まったものの、中性的な歌声を活かした白さの香るナンバーにこそ強みを持っているのも理解はしているようで、クラシカルな様式美を見せる「SQUALL」や、神秘的なメロディをダンサブルなデジタルサウンドで表現した「DIANA」などでは、武器は錆びついていないぞ、と見せつけているようでした。
良くも悪くも、「BERSERKER」の意外性によってインパクトは絶大。
このサウンドの印象だけで、その後の音楽を聴かず嫌いしてしまうのは、少しもったいない気もしますよ。
2020年にはベストアルバムも発表し、V系シーンの第一線で話題に上がることは少なくなったものの、現役を貫くSatsukiさん。
現在は、ヒップホップ等への歩み寄りを見せるなど、再び新境地を模索しているようですが、どうしても、ふと訪れる純白のサウンドを探してしまうのです。
<過去のSatsuki(砂月)に関するレビュー>