BLOOD INTERNATIONAL Ver. / BLOOD | 安眠妨害水族館

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BLOOD INTERNATIONAL Ver./BLOOD

 

1. 白夜(COMPLETE ver.)

2. 朧

3. prayer

4. HEAVEN

5. sweatest disease(GOTH mix)

6. sakura

7.

8. #01(bonus track)

 

Starwave Recordsの代表、究さんがギタリストとして在籍していたBLOODのミニアルバム。

 

本作は2004年のリリース。

2代目Vo.TAKESHIさん時代の作品となります。

黒ジャケットの国内盤と、白ジャケットのINTERNATIONAL盤の同時発表で、収録曲は一部異なっていました。

 

本作は、"ゴシック"という世界観の軸は持ちつつ、その再現方法は、ダーク、耽美、インダストリアル、クラシカルと、広義に渡っているのが特徴。

「prayer」や「HEAVEN」などは、無機質なデジタルサウンドでまとめているも、メロディはポップであると言えるし、「sakura」に至っては和のフレーズすら見られるミディアムナンバーとなっており、とにかくゴス色が強いなというのは、「sweatest disease」の退廃的なミックスぐらいです。

きちんとゴスの素養があることを楽曲に落とし込みつつ、聴きやすさや歩み寄りは意識。

その意味で彼らは、実は王道的なバンドでもあったのですよね。

あらゆる部分で海外志向を高めすぎた結果、とっつきにくさを増してしまったのは、どうにももったいない部分でしょう。

 

なお、ジャケット上は、7トラック目がボーナストラック「#01」であると記載されていますが、実際は、7トラック目は30秒程度のSEとなっており、8トラック目にインダストリアルな質感のハードチューンを収録。

あとはもうひとつ、パンチ力のあるキラーチューンがあれば、というタイミングで、彼らなりの攻撃性が展開されていきます。

 

解散は明言されていないものの、4代目Vo.Hayatoさんが2012年に脱退して以降、大きな動きがないBLOOD。

それでも、彼らがアプローチしてきた"ゴシック"という音楽性の幅広い解釈は、Starwave Recordsの所属アーティストたちに踏襲されている。

なんとなく、その源流に近い音楽性が、本作の秩序あるバラエティ性の中に見えるのですよ。