…to be or not to be / NAZARE | 安眠妨害水族館

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…to be or not to be/NAZARE

 

1. Get up!!!

2. 恨ミ、晴ラス刻。

3. Satellite

4. 「Focus」-instrumental-

 

残念ながらVo.澪さんの脱退を起因とした解散が発表されているNAZAREから届けられたラストシングル。

 

本来は、1月に開催されるはずだったラストワンマンにて、会場限定音源として制作されていた作品。

コロナ禍で延期になったことにより、オフィシャルショップでの通信販売が開始されています。

振替公演は6月に予定されていますが、それ以降、いつまでオフィシャルショップが稼働しているのかは不明。

実態的には、期間限定販売と言えるのかもしれませんので、ご購入派お早めに。

 

4曲目を除いて、作詞・作曲はVo.澪さんが担当。

NAZAREを最後に、実質的な引退となる彼だからこそ、解散が決まってからの作品にも全力投球ができるのかもしれない。

そのぐらいの熱量が詰まっており、トップバッターの「Get up!!!」のスタートの瞬間から、勢いに圧倒されてしまいました。

一筋縄ではいかない変態的な構成に、ギミックに頼らない演奏力を見せつけた重厚なサウンド。

テンションを上げるだけ上げてから叩き潰すかの如く、地面を這いずり回るようなラウドチューン、「恨ミ、晴ラス刻。」に繋げていくあたりも、単純にトリッキーというだけでなく、作品の中でドラマ性を生み出していく絶妙な展開なのですよ。

 

最後の最後に、彼ら流のセツナメロディーが印象的な「Satellite」を持ってくるのもニクい演出。

メロディアスなナンバーでも戦えるのだ、という主張を最後に提示して、バンドの可能性が無限に広がっていたことを示唆するのだから、ある意味で残酷であり、ある意味でもっとも美しい終わり方であると言えるでしょう。

ラストの「Focus」は、Gt.妖さんがコンポーズ。

Vo.澪さんが去った後のIFの世界とも受け取れるのだけれど、同期を取り入れつつ、楽器隊の全員に見せ場が用意されている充実のインストナンバーで、これでも十分な破壊力。

ハードでヘヴィーな音像とは裏腹、つくづく"解散が惜しい"という感情を呼び起こします。

 

<過去のNAZAREに関するレビュー>

NEMOPHILA

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