INNOCENCE / NAZARE | 安眠妨害水族館

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INNOCENCE/NAZARE

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1. INNOCENCE

2. Lie.

3. 受難 (Unplugged Ver.)

4. They Don’t Know About Us (Symphonic Ver.)

 

 

結成から1年という短期間で、O-WESTでの単独公演まで駆け上がったNAZARE。

本作は、2タイプ同時でのリリースとなった2ndシングルです。

 

初回限定盤には、会場限定で発売され、250枚を完売させた1stフルアルバム「荊海」から、「受難」のUnplugged Ver.と、「They Don’t Know About Us」のSymphonic Ver.が追加収録。

加えて、本作を購入したうえでO-WESTでのワンマンに行くと、それぞれ映像特典、音源特典が配布されるという仕組みになっています。

既にそれらが価格設定に含まれている気はしないでもないですが、それも戦略ということでしょう。

 

表題曲となる「INNOCENCE」は、Dr.壱世さんが作曲を担当したメタルチューン。

序盤は、Vo.澪さんの繊細な歌声を活かした歌モノ要素が強いでしょうか。

あえてずっしりと響かせるのではなく、浮遊感を出すような工夫を入れて、新たな表現手法を手に入れたといったところです。

 

一方で、それだけで終わらせるつもりは毛頭ないといった中盤から終盤のハードさも圧巻。

8弦ギターを飾りとはせず、重厚なサウンドで走り抜けます。

ここからの展開で、更にドラマティックにすることもできただろうに、すっぱり割り切って余韻を残したのが効果的。

インパクトを十分にもたらしていて、シングルとしての役割を果たしていました。

 

また、激しいスタイルを期待している層にも納得がいくように、カップリングの「Lie.」は、ひたすら暴力的。

彼らの場合、攻撃性に特化しても、メロディ部分にこだわっているのがわかるので好感が持てます。

この手のバンドによくある、"クリーントーンになると弱いヴォーカル"に陥ることなく、伸びやかな歌声で聴かせることができるのは、純粋に強み。

黒く塗りつぶすばかりがデスコアではない、というスタンスこそ、彼らが頭一つ抜け出そうとしている肝なのかと。

ハードなだけではなくて、喜怒哀楽の表現がそこにあるのですよね。

 

初回限定盤に収録された「受難」、および「They Don’t Know About Us」は、オリジナルとはまた違った魅力が引き出されています。

特に「受難」は、メロディだけに光を当てる形にしても、十分に良さが担保されているのだもの。

これが代表曲となっているのも、そりゃ納得です。

様々なアプローチから、格好良さに打ちひしがれる1枚。

 

 

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詳細なレビューは<こちら

壱世さんが在籍していたから、と理由付けするのは簡単なのですが、エクストリームサウンドに情緒を落とし込むアプローチに、やはり親和性を感じるのですよ。

なかなかメンバーが安定せずに突き抜け切れていないのがもったいないのですが、次世代のエクストリームバンドが語られるときには、どうかDIMLIMも含まれていてほしい。

そんな気持ちを込めて、ここにピックアップしてみました。