CHEDOARA/DIMLIM
CHEDOARA
2,888円
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1. EXORDIUM
2. GROTESQUE
3. Malformation
4. ...物狂ひ...なりて
5. 愛憎につき...
6. 狂の理
7. Ambitiosus principles
8. Mad [K]
9. シガラミ - CHEDOARA MIX -
10. D.Hymnus
11. vanitas - CHEDOARA MIX -
12. 「人」と「形」
6月に新体制となったDIMLIM。
本作は、彼らにとって初となるコンセプト・フルアルバムです。
エクストリームを志向するバンドも増えてきて、そこでの差異化を図ろうとした結果、極端にスピーディーで極端に激しくというのが、かえって定番化してしまった感のある、このサブジャンル。
ともすれば、淘汰されずに生き残るにはどうするか、という一手を打たねば手遅れになってしまうのですが、彼らはひとつ壁を越えたな、と。
というのも、従来のデスコア、メタルコアをベースにしたエクストリームサウンドに加え、表現力、情緒といった部分に力が入っているのが伺えるから。
「CHEDOARA」とは、"喜怒哀楽"から作った造語とのこと。
感情のひとつひとつを掘り下げるという作業を行ったことにより、押すだけではなく、"引き"のアプローチを選択できるようになったのが、大きく効いているのではないでしょうか。
空間を意識したアレンジも多々。
轟音で攻め立てるだけが、ロックの醍醐味ではないのだもの。
その押し引きは、アルバムを構成するメリハリとして既に好影響を与えています。
インストナンバーである「EXORDIUM」、および「狂の理」をアルバムの栞として差し込みつつ、ドラマティックに全体を構成。
Vo.聖さんについても、クリーントーンがあれば、ファルセットにウィスパーボイスもあり、シャウト、グロウル、ホイッスルボイスに至るまで卒なくこなしてしまう多才っぷりで、確かに、スピード感で誤魔化さなくても十分なレベル。
胃もたれしそうな濃厚さではあるのですが、コンパクトにまとまっているのも事実であり、何気に器用ですね。
ここまで整然としたカオスに包まれる体験を、若手バンドの1stで実現しようとは。
ざっくばらんに言うと、音楽性や、聖さんの歌い方には、DIR EN GREYからの影響が強く出すぎているかな。
タイトルのつけ方も、なんとなくリスペクトを感じます。
まぁ、真似したくて再現できる歌唱法でもないですし、これからオリジナリティを高めるためのポテンシャルもモチベーションもありそうなので、新鮮な世界を求めて聴くのが正解でしょうけれど、素直にフォロワーバンドとして聴くのも、現段階では間違いではないのかも。
圧倒的な重さと深みを兼ね揃えたサウンドと、アグレッシブに攻めるカリスマ性。
HR/HMが好きなリスナーは必聴の1枚です。