「AN ETERNITY」「FLOWER OF ROMANCE」 / BAROQUE | 安眠妨害水族館

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AN ETERNITY/BAROQUE

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1. AN ETERNITY

2. AN ETERNITY [Instrumental Ver.]

 

FLOWER OF ROMANCE/BAROQUE

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1. FLOWER OF ROMANCE

2. FLOWER OF ROMANCE [Instrumental Ver.]

 

BAROQUEの2枚同時にリリースされたシングル。

それぞれ、MVの収録されたDVDが付属しています。

 

実質2曲で約4,000円と、ちょっと割高感があるでしょうか。

実は、この2曲と、そのアコースティックバージョン、および8曲のライブ音源が収録されたライブ会場・通信販売限定盤が5,000円。

DVDの内容も、MVに加えてボーナス映像も追加されているようで、+1,000円でこれだけ充実度が違うのなら、お買い得なのはそちらなのかもと思わせることに成功しているからズルい。

CDのみの廉価版が欲しかったという層もいるでしょうが、デジタルリリースもされているため、新曲だけなら500円で揃ってしまうというね。

このご時世、豪華な現物を手元に残しておきたい人か、曲だけ聴ければ十分な人に二分されているんでしょ、という彼ららしい効率性重視の割り切りにも見えてくるから不思議なものですよ。

 

さて、「AN ETERNITY」は、白くて幻想的なバラード。

こんなに壮大なスケールの楽曲は、今までのBAROQUEにはなかったのではなかろうか。

雰囲気重視でメロディはシンプルなのですが、その分、ギターがこれでもかというぐらいに主張。

クリーントーンで響かせる泣きのギターは、最後の最後まで耳を奪って離しません。

歌メロが終わってからが真骨頂、という曲構成も、現代ポップスへの皮肉っぽくて格好良いです。

 

もう一方の「FLOWER OF ROMANCE」は、ストレートなロックンロール。

まさか、このタイミングで彼らが、こんなにもまっすぐな王道ナンバーを作ってきたか、と。

もちろん、最近の彼らの好みを反映して、シューゲイザー要素は強くなっており、情報量の多い音の洪水が気持ち良いのですが、それ以上に前に出ているキャッチーさと、心地良い疾走感。

古き良きと呼ばれるようになった時代から脈々と流れる血は、異端とされた彼らにも確かに受け継がれていたのだ。

 

どちらも、シングルとして出すべきインパクトは持っている。

だけど、どちらもBAROQUEの根幹の音楽性かと聞かれたら、そうだとも返しにくいのが事実。

その意味で、両極端の作品だという割り切りを勝手にリスナーに転嫁できるのだから、2枚に分けてのコンセプト作風のアプローチは正解だったのではないかな。

 

一方で、これがBAROQUEのスタンダードとして認められる日が、そう遠からずに来るのでは、という想いもある。

お洒落系の祖とされながら、あっさりとその音楽性を捨て、大きく形を変えながら漂い続けてきた彼らのサウンド。

今の彼らも格好良いじゃない、と再評価されるだけのパワーが、この2曲にはあると思うのだけれど。

全貌が明らかになるであろうアルバムの完成が待ち遠しくなる作品群です。

 

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