入門の書/KAKUMAY
1. CARRY
2. 咄嗟
3. WELCOME TO THE DARKNESS
4. Vomit
5. 哀なんて青春。
2020年に結成されたKAKUMAYによる1stデジタルアルバム。
Vo.勇者真虎、Ba.ゆいとが在籍していたVexentの楽曲を、KAKUMAYにてセルフカヴァー。
2曲目の「咄嗟」については、アーティスト名も"Vexent"名義なので、当時のメンバーでレコーディングした音源を使っているのかな。
鈍く蠢くヘヴィーなサウンドと、切れ味鋭いギターのリフ。
楽曲によってはサイバーなデジタル音も取り込んで、イチゼロ年代のラウド系バンドの王道といった仕上がりですね。
もっとも、その時代の楽曲のリメイクなので、ほどよい懐かしさこそ魅力と言えるのでしょう。
全体的にハードな楽曲で構成されており、ライブでの盛り上がりが想像できる。
ギミックが多いうえに、サビになるとメロディアスに展開されるとっつきやすさも備えていて、テンプレートはひととおり詰め込んだといったところです。
王道路線という意味では、リアルタイムでは埋もれてしまった感が否めないものの、このタイミングで再録されたことで、インパクトが復活。
体感型のライブへの飢えがピークに達している昨今。
あの頃のライブハウスの空気感が蘇る本作は、求めているサウンド、そのものだったりするのでは。
なお、先行配信されていた「哀なんて青春。」は、本作でフル収録。
シングルヴァージョンでは、途中でフェードアウトする仕様だったのは、この布石かと。
5曲で750円という価格設定はコストパフォーマンスが良いと思いますし、サブスクでも聴くことが可能。
文字通り、「入門の書」とするにはぴったりな作品です。