q've / RusH | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

q've/RusH

 

1. q've c loop

2. 創

3. e-17 street

4. Tell

5. リディー・トゥモロウ

6. Hot cake

7. 桜咲く丘に…

8. D・K(一発入魂・ビブロックバージョン)

 

ex-LUV'ra-DollのVo.タクマさんと、Gt.雍希さんを中心に結成されたRusH。

本作は、2003年に限定1,000枚でリリースされた2ndミニアルバムです。

 

Dr.Towaさんが脱退し、FatimaからNaoさんが加入。

Towaさんは、その後Fatimaに在籍することになるので、実質的にトレードとなりました。

ライブでは、Gt,ミサさんやDr.KAZUKIさんがサポートを担当していた時期もあったようで、バビロンの前身バンドと捉えることもできそうですね。

 

全楽曲について、作詞はタクマさん、作曲は雍希さんが担当。

音楽性としては、"ハードミクスチャーパンク"とのことですが、X JAPANのhideさんが"サイボーグロック"と呼んだハイブリッドサウンドに近いものがあるでしょう。

洋楽由来のラップロックや、ギターでザクザクと切り込むパンキッシュなテイストを、邦楽リスナーにもわかりやすく咀嚼。

生音をベースにしているため近未来的なイメージは薄れますが、歌謡曲とは異なる切り口でのポップネスは、実際、hideさんの影響を大きく受けていたのではないかと思われます。

 

構成としては、前半はミクスチャー色が強く、後半はストレートなパンクをぶちまけるイメージ。

その切り替えのスイッチに、「リディー・トゥモロウ」という穏やかな歌モノナンバーを挿入して、バリエーションの豊富さも示すことができているかと。

ここに圧倒的なキラーチューンが待ち構えていれば言うことなしではあったのですが、曲よりもトータル的な品質の高さで勝負するタイプの、まとまりのある作品に仕上がっていますよ。

 

ボーナストラックである「D・K」は、「frigidity」というタイトルでオムニバスに参加していたハードチューン。

ディストーションで歪ませたギターで、ノイジーに攻めていきます。

サブタイトルのつけ方的に、一発録りなのだろうか。

サビのメロディが、SADSの「忘却の空」に似ているのだけれど、歌詞も"ベルベットの~"と歌い出すあからさまっぷりなので、もしかしたらオマージュ的な意味合いがあるのかもしれません。

 

なお、ジャケットは2種類存在します。

いずれも、メンバーをデフォルメしたイラスト仕様。

大金を手にしているバージョンと、牢獄の中にいるバージョンがあるので、なんだかドラマ性を想像してしまいますな。